池袋スカイクリニック » EDとは2 » EDに関するQ&A
『EDとは』の項で述べたように、EDの程度は様々です。勃起力に関する悩みは、人それぞれです。
バイアグラの添付文書上の効能は、
『勃起不全(満足な性行為を行うに十分な勃起と、その維持が出来ない患者)』
となっています。
人それぞれ、『満足』には差があります。主観的な評価になります。つまり、ご本様やパートナーが、セックスの持続時間に満足できていない場合は、EDであると言えます。
とは言え、客観的な評価指標もあります。
EDセルフチェックを行って見て下さい。
明らかなEDとは断言できないかもしれませんが、EDである可能性も否定できません。試験的にED治療薬を服用していただき、状況が変化するか確認して頂きたいと思います。
一番大切なのは、セックスで十分な満足が得られているかどうかです。現状で満足されているのであれば、そのまま治療しなくても良いでしょう。もし、満足されていないのであれば、ED治療薬によって『硬さ』の変化があるか確認して下さい。
また、勃起硬度に関係なく、年齢とともに射精が早まる(早漏)場合があります。EDと早漏は、しばしば合併します。
ED治療薬によってペニスの怒張が得られ、より硬度が出た場合、感度が鈍くなり、射精遅延効果が得られる場合があります。持続時間が延長し、満足度が高まります。
このように、早漏症の補助としてED治療薬を処方する場合もございます。
もちろん、年齢の影響はあります。
専門外来を行っている経験からお話しさせていただくと、20歳代や30歳代前半のED例は、多くがセックスに対して緊張したり、自信を無くす等、心因性EDが多くを占めます。(最近では、若年者のポルノ(AV)依存性や中毒とEDの関係が指摘されつつありますが、ここでは割愛いたします)
それが、30歳代後半くらいから年齢の要素が出現する印象です。
個人差が大変大きく、早い方であれば30歳代後半から年齢の影響が現れますが、50歳代でもED治療薬の力を借りずとも精力的に性行為が可能な方もいらっしゃいます。
原因の一つは、生活にあるかと思います。単純に仕事が忙しく、ストレスが多かったり、気持ちに余裕がないだけでもEDになります。慢性的に疲労が蓄積していてもEDになります。運動習慣がなかったり、食生活に偏りがあったりしてもEDを発症します。喫煙もEDの原因となります。様々な要素が重なりあって、肉体的衰え(年齢による衰え)を引き起こします。病名の付かない程度の軽微な変化や、健康診断などの検査では現れない異常です。
全ての年齢に当てはまるのですが、いわゆる”健康的な生活”を心がけて下さい。バランスの良い食事、適度な運動、睡眠時間の確保、ストレス発散のための趣味やレクリエーション、など、ご自身のお身体を労ってあげて下さい。それが、歳を重ねた時の精力の維持に繋がります。
また、ED治療薬を使用してでも構いませんので、ある程度、セックスの回数は必要と考えます。セックスをすることが、男性の活力を呼び起こします。
典型的なEDと言えます。
もし、ご本人またはパートナーが勃起硬度や持続時間に不満がある場合、ED治療薬の適応となります。原因にも因りますが、服薬にて勃起機能が改善すると思われます。ED治療をご検討下さい。
勃起硬度と射精が一致していない、しばしば相談を受ける典型的なEDのケースです。
オーガズムまで勃起が維持できていない状態です。また、ペニスの硬度が十分でない場合、早漏傾向を呈することも珍しくありません。ED患者の30〜50%に早漏が合併するとの報告もあります。ペニスの硬さが不足していることが一番の原因と考えられます。
EDです。ED治療をお考え下さい。EDの原因は、加齢であったり、EDを来す病気が隠れていたり、様々です。
まずは、ご相談下さい。ED治療をご検討下さい。
一般的には、いわゆる2回戦目ができる方のほうが少ないです。お若い方であっても、必ずしも全員2回戦目が可能ではありません。
初回時に勃起硬度が維持できるのであれば、EDとは言えないかもしれません。
お若いときに2回戦連続で可能であったとしても、加齢とともに2回戦目が難しくなっていきます。
ただ、EDであるか否かは、主観的なものです。ご本人やパートナーが、もっと勃起を強くしたいと考えるのであれば、ED治療薬を試していただいても良いと思います。
射精後は不応期(いわゆる賢者タイム)があるため、ED治療薬を服用しても、2回戦連続で行為ができるとは断言できません。ただし、実際に試していただいても良いと思います。
1日に間に複数回のセックスを希望される場合は、長時間型ED治療薬であるシアリスまたはタダラフィルが使いやすいと思われます。
心因性EDと考えます。特定のパートナーの場合にだけ、何らかの理由で性欲が高まらないのだと考えます。
性欲が高まらない理由は、
など様々です。
パートナーによって勃起が得られたり得られなかったり変化する場合は、そのパートナーとの関係性に原因があると考えます。
また、セックスの相性が合わない場合も、勃起が維持できない場合もあります。
肉体的な快感に乏しい場合や、リアクションが乏しく刺激が不足している場合など、性的快感が乏しい場合などがあげられます。
風俗は特殊な環境です。風俗に行ったはいいもの、罪悪感が生じたり、初めて対面する女性から性的なサービスを受けるわけですので、緊張してしまったりなどから性欲が抑制されてしまうことがあります。性欲が抑制されれば勃起しませんし、ED治療薬の効果も得ることができません。強いて診断するとならば、心因性EDとなります。心因により性欲が抑制されたのが原因です。
風俗以外で、問題なく勃起が得られるのであれば、ご本人が風俗に向いていない方であるとも言えます。
心因を克服する一つの方法として、成功体験を積み重ねる方法があります。簡単に言うと、回数をこなし慣れていただく、自信を付けいていただく、というやり方です。
性欲が抑制されてしまうシチュエーションでは、性欲により鋭敏に反応するように、やや強めのED治療薬が良いかもしれません。
パートナーやシチュエーションによって性欲の高まりが異なるのか、それとも常に性欲が高まらないのかで、考え方が異なります。
前者は、パートナーやシチュエーションが変わることで性的興奮が得られなくなるのであれば、それが原因であると考えられます。よって、心因性EDの可能性が高いと思われます。
後者であった場合は、勃起の問題ではなく、その前の段階として、性欲が高まらないことが問題となります。つまりEDではなく、性欲減退について精査が必要です。
『EDとは』の項で述べたように、EDの程度は様々です。勃起力に関する悩みは、人それぞれです。
バイアグラの添付文書上の効能は、
『勃起不全(満足な性行為を行うに十分な勃起と、その維持が出来ない患者)』
となっています。
人それぞれ、『満足』には差があります。主観的な評価になります。つまり、ご本様やパートナーが、セックスの持続時間に満足できていない場合は、EDであると言えます。
とは言え、客観的な評価指標もあります。
EDセルフチェックを行って見て下さい。
明らかなEDとは断言できないかもしれませんが、EDである可能性も否定できません。試験的にED治療薬を服用していただき、状況が変化するか確認して頂きたいと思います。
一番大切なのは、セックスで十分な満足が得られているかどうかです。現状で満足されているのであれば、そのまま治療しなくても良いでしょう。もし、満足されていないのであれば、ED治療薬によって『硬さ』の変化があるか確認して下さい。
また、勃起硬度に関係なく、年齢とともに射精が早まる(早漏)場合があります。EDと早漏は、しばしば合併します。
ED治療薬によってペニスの怒張が得られ、より硬度が出た場合、感度が鈍くなり、射精遅延効果が得られる場合があります。持続時間が延長し、満足度が高まります。
このように、早漏症の補助としてED治療薬を処方する場合もございます。
もちろん、年齢の影響はあります。
専門外来を行っている経験からお話しさせていただくと、20歳代や30歳代前半のED例は、多くがセックスに対して緊張したり、自信を無くす等、心因性EDが多くを占めます。(最近では、若年者のポルノ(AV)依存性や中毒とEDの関係が指摘されつつありますが、ここでは割愛いたします)
それが、30歳代後半くらいから年齢の要素が出現する印象です。
個人差が大変大きく、早い方であれば30歳代後半から年齢の影響が現れますが、50歳代でもED治療薬の力を借りずとも精力的に性行為が可能な方もいらっしゃいます。
原因の一つは、生活にあるかと思います。単純に仕事が忙しく、ストレスが多かったり、気持ちに余裕がないだけでもEDになります。慢性的に疲労が蓄積していてもEDになります。運動習慣がなかったり、食生活に偏りがあったりしてもEDを発症します。喫煙もEDの原因となります。様々な要素が重なりあって、肉体的衰え(年齢による衰え)を引き起こします。病名の付かない程度の軽微な変化や、健康診断などの検査では現れない異常です。
全ての年齢に当てはまるのですが、いわゆる”健康的な生活”を心がけて下さい。バランスの良い食事、適度な運動、睡眠時間の確保、ストレス発散のための趣味やレクリエーション、など、ご自身のお身体を労ってあげて下さい。それが、歳を重ねた時の精力の維持に繋がります。
また、ED治療薬を使用してでも構いませんので、ある程度、セックスの回数は必要と考えます。セックスをすることが、男性の活力を呼び起こします。
典型的なEDと言えます。
もし、ご本人またはパートナーが勃起硬度や持続時間に不満がある場合、ED治療薬の適応となります。原因にも因りますが、服薬にて勃起機能が改善すると思われます。ED治療をご検討下さい。
勃起硬度と射精が一致していない、しばしば相談を受ける典型的なEDのケースです。
オーガズムまで勃起が維持できていない状態です。また、ペニスの硬度が十分でない場合、早漏傾向を呈することも珍しくありません。ED患者の30〜50%に早漏が合併するとの報告もあります。ペニスの硬さが不足していることが一番の原因と考えられます。
EDです。ED治療をお考え下さい。EDの原因は、加齢であったり、EDを来す病気が隠れていたり、様々です。
まずは、ご相談下さい。ED治療をご検討下さい。
一般的には、いわゆる2回戦目ができる方のほうが少ないです。お若い方であっても、必ずしも全員2回戦目が可能ではありません。
初回時に勃起硬度が維持できるのであれば、EDとは言えないかもしれません。
お若いときに2回戦連続で可能であったとしても、加齢とともに2回戦目が難しくなっていきます。
ただ、EDであるか否かは、主観的なものです。ご本人やパートナーが、もっと勃起を強くしたいと考えるのであれば、ED治療薬を試していただいても良いと思います。
射精後は不応期(いわゆる賢者タイム)があるため、ED治療薬を服用しても、2回戦連続で行為ができるとは断言できません。ただし、実際に試していただいても良いと思います。
1日に間に複数回のセックスを希望される場合は、長時間型ED治療薬であるシアリスまたはタダラフィルが使いやすいと思われます。
心因性EDと考えます。特定のパートナーの場合にだけ、何らかの理由で性欲が高まらないのだと考えます。
性欲が高まらない理由は、
など様々です。
パートナーによって勃起が得られたり得られなかったり変化する場合は、そのパートナーとの関係性に原因があると考えます。
また、セックスの相性が合わない場合も、勃起が維持できない場合もあります。
肉体的な快感に乏しい場合や、リアクションが乏しく刺激が不足している場合など、性的快感が乏しい場合などがあげられます。
風俗は特殊な環境です。風俗に行ったはいいもの、罪悪感が生じたり、初めて対面する女性から性的なサービスを受けるわけですので、緊張してしまったりなどから性欲が抑制されてしまうことがあります。性欲が抑制されれば勃起しませんし、ED治療薬の効果も得ることができません。強いて診断するとならば、心因性EDとなります。心因により性欲が抑制されたのが原因です。
風俗以外で、問題なく勃起が得られるのであれば、ご本人が風俗に向いていない方であるとも言えます。
心因を克服する一つの方法として、成功体験を積み重ねる方法があります。簡単に言うと、回数をこなし慣れていただく、自信を付けいていただく、というやり方です。
性欲が抑制されてしまうシチュエーションでは、性欲により鋭敏に反応するように、やや強めのED治療薬が良いかもしれません。
パートナーやシチュエーションによって性欲の高まりが異なるのか、それとも常に性欲が高まらないのかで、考え方が異なります。
前者は、パートナーやシチュエーションが変わることで性的興奮が得られなくなるのであれば、それが原因であると考えられます。よって、心因性EDの可能性が高いと思われます。
後者であった場合は、勃起の問題ではなく、その前の段階として、性欲が高まらないことが問題となります。つまりEDではなく、性欲減退について精査が必要です。
40歳未満の若年者のED例が急増しています。
2000年ころは、20歳代や30歳代のED有病率は数%程度とされ、その多くが緊張感であったり、過去にセックスを失敗したトラウマや、パートナーとの関係性、仕事や対人関係のストレスなどが原因と考えられ、以降、よりストレス社会が進むと考えられていたため、若年者のEDは増加傾向にあるとされていました。
また、糖尿病や高血圧、脂質異常症などの生活習慣病の低年齢化や肥満例の増加もまた、若年者のEDを増加させる原因と考えられてきました。
しかし、2020年を過ぎた頃に発表された多くの研究報告では、若年者のEDが予想を上回る増加を示しました。
40歳未満のED有病率は30%にも達するとする報告もあります。
上記の理由だけでは、この予想を上回る増加の原因が説明できません。
そこで注目されたのが、EDとポルノ(AV)の関係です。
ポルノ(AV)鑑賞やオナニー(マスターベーション)の頻度とEDの関係は、以前より研究されていました。
ポルノ(AV)鑑賞には、オナニー(マスターベーション)が伴うため、オナニー(マスターベーション)が原因と考えられたり、ポルノ(AV)の過激な性描写が性欲の減退ならびにEDの原因と考えられたりしましたが、因果関係が有りとする報告、無いとする報告様々で、結論に至ってはいません。
最近では、単にポルノ(AV)を鑑賞することやオナニー(マスターベーション)をすることではなく、EDとポルノ(AV)依存性や中毒症との関係が注目されています。
新しい疾患概念として議論中ですが、池袋スカイクリニックにおいても、ポルノ(AV)依存症(中毒症)を疑う患者様が増加傾向と考えています。
パートナーがいない方や新しくパートナーができた方は、安定したパートナーがいる方と比較し、EDを自覚する率が高い事が指摘されています。体調に変化がない場合は、心因の関与が疑われます。
安定したパートナーがいる場合は、性行為に関してお互い良く知るところになります。安心して、落ち着いてセックスができます。
それに対して、パートナーがいない場合や新しくパートナーができた場合は、セックスに対する緊張感や不安感、パートナーを上手にオーガズムに導けるかどうかといったプレッシャーなど、様々な心因が生じる可能性があります。これが、セックスへの集中力を欠くことに繋がり、勃起を萎えさせる原因となります。
実際に、池袋スカイクリニックを受診する若年男性において、新しくパートナーが出来た、うまく性行為ができるか心配、または、新しいパートナーと性行為がうまく出来なかった、勃起が持続出来なかった、等を理由に受診される方が多くいらっしゃいます。この場合は、sexの回数を重ねる事が治療になる事が多く、バイアグラなどED治療薬の良い適応になります。回数をこなし、自信が付くまでED治療薬を使用していただきます。自信がついてきたら、ED治療薬を漸減し、最終的にはED治療薬なしでセックスを試みていただきます。成功体験を積み重ねる事が治療につながります。
また、ポルノ(AV)に依存や中毒傾向のある方は、パートナーに対して性欲が湧きづらい傾向があり、EDとなることも指摘されています。男性は性行為に対してファンタジーが強いとされています。実際に、セックスをしてみたが、パートナーの反応が少なく、興奮しなかった、面白くなかったと感じてしまう場合もあります。ポルノ(AV)はshow的な要素も強く、実際のセックスと乖離していることも多いです。ポルノ(AV)依存症や中毒が増加していると言った事も話題になっております。現時点で、明確な科学的根拠は証明されていませんが、過激なポルノ(AV)鑑賞は、控えていただいたほうが良いかもしれません。
心因性EDというと若い方が多い印象を持たれる事もありますが、中年男性においても心因性EDは発症しえます。この場合の原因ですが、やはり若い方同様、対人関係のストレスであったり、社会的ストレスが関係します。
若年男性では、性行為に対する不安感を持つ場合や、精神疾患に罹患している場合もあります。
中年男性では、若年男性と比較し、抑うつが原因として増加します。どの年代においても、対人関係などの社会的ストレスはEDの原因となります。
単純に、仕事が忙しかったり、睡眠が不足している等でも、EDは発症しえます。気持ちに余裕が無い場合に、心因性EDは発症しうるとお考え下さい。
心因性EDは、器質性EDと比較し、やや急速に発症するとされています。器質性EDの場合は、動脈硬化や原因となる持病の進行度合いによって発症する事が多いため、EDの発症は緩徐であるとされます。
それに対して心因性EDは、仕事上のストレスなど環境変化で生じる事も多く、発症時期を明確に自覚している場合もあります。
『〇〇月頃から弱くなった』と発症時期が明確なケースは、その時期に仕事上の異動があった、急に仕事が忙しくなった等、原因が明確な事もあります。
もちろん、問診しても、心因性EDが疑われても、明らかな原因を指摘できない場合もあります。ED患者は、勃起機能の低下に対して抑うつ症状や不安を感じており、セックスを避ける傾向にあります。性行為中の勃起に対する不安感は、性行為への集中を妨げ、勃起を維持できないことに繋がり、こうして生じた、性行為への自身の喪失感が、次の性行為をしようとする欲求を低下させます。
また、ED治療を受けないことに因る性機能のさらなる低下が、メンタル的に性行為を抑制し、EDと抑うつと不安感の負のスパイラルに陥ります。
ED治療薬によって、この負のスパイラルを断ち切ることが大切です。
男性にとって、ご自身の勃起機能が弱くなったことを受け入れるのに抵抗がある場合もあります。ED治療を受けることに対しても否定的である場合もあり、また、パートナーとセックスについて話し合うことを避け、一人で悩んでいることが多いとされています。
EDを自覚し、治療を受けるまでに、平均して2年を要するとする報告もあり、一人で悩んでいる方も大勢いるとされています。一人で悩まず、ぜひ、ED治療を受けて下さい。
バイアグラ(シルデナフィル)、レビトラ(バルデナフィル)、シアリス(タダラフィル)のいずれのED治療薬に性欲を高める作用(催淫作用)はございません。性欲の高まりに応じて、勃起力を高めます。また、性欲の減弱とともに、勃起も萎えていきます。催淫剤ではございません。
ED治療薬は、ご本人の性欲の高まりに応じて、勃起硬度を高めます。バイアグラ(シルデナフィル)、レビトラ(バルデナフィル)、シアリス(タダラフィル)、いずれのED薬も同様です。また、性欲が萎えるとともに、勃起もおさまります。つまり、ずっと勃起しっぱなしにはなりません。
ごく稀に副作用として、持続勃起症が発症する場合があります。意思に反して2時間以上勃起が続く場合は、持続勃起症の可能性があります。泌尿器科の救急外来を受診し、治療を受けて下さい。
ED治療薬は、性欲の高まりに応じて勃起を得る薬剤です。仮に服用後にセックスをしなかった場合でも、なにか生じることはありません。強いてあげるとするならば、ED治療薬の服用に伴って生じる副作用(おもに顔のほてり)が生じます。薬効の減少とともに副作用も消失して行きます。
連続してセックス、つまり、射精後直ぐに勃起が得られるかどうか?ということになりますが、ED治療薬の使用した場合、連続して勃起が得られるか否かは、ご本人の精力や体質に因るところが大きいです。
基本的には、一度射精をすると、その後に、何をしても反応しない不応期(俗に言う賢者タイム)が生じます。お若い時や、体質的に可能な方を除いて、一般的には不応期があるため、勃起を連続させるのは難しいです。ED治療薬を使用している場合、この不応期が短縮されるとされていますが、基本的には同様です。
一度目の性行為後、時間を挟むことができる(休憩時間を設けることができる)のであれば、ED薬を服用していない場合と比較し、早期に勃起力は回復いたします。
どうしても連続してsexを行いたい場合は、射精を抑制する作用のある薬剤があります。必ず効果が得られるわけではありませんが、試されても良いかもしれません。
ED治療薬は、性欲の高まった回数だけ勃起力をサポートします。例えば持続時間内に3回性欲が高まれば3回勃起が得られます。ただし、一般的には、射精後に不応期(俗に言う賢者タイム)が生じます。不応期の間は、何をしても反応しないため、連続したセックスは、ED治療薬を服用していても、でき無いことが殆どです。
週末や旅行中に、1日の間に複数回セックスをしたいのであれば、薬効の持続時間の長いシアリス(タダラフィル)が良いかもしれません。
心因性EDは、何らかの心因により性欲が高まらない(持続しない)ため、勃起が得られない(維持できない)状態です。ED治療薬は、性欲の上昇に伴い、勃起力をサポートする薬剤です。つまり、多少でも性欲が高まるのであれば、効果は期待できます。多くの場合、心因性EDに対してED治療薬は、非常に有効です。
性欲はあるが、緊張してしまう、うまくできるか不安など、ご自身の勃起力が心配である場合は、途中で性欲が萎え、勃起が萎えてしまいます。この場合は、ED治療薬を使っていただければ、効果が実感できると思います。一度、硬さが出てしまえば、そのまま維持できる場合が多いです。多くの場合は、ED治療薬の勃起改善効果が、性欲の抑制を上回ります。性欲の抑制が強い場合、不安感が強い場合などは、わずかな性欲の増加に鋭敏に反応するように、やや高用量で使用していただくこともあります。
ED治療薬の使用以外に、様々なアドバイスをさせていただいております。
極度の緊張により性欲が抑制されてしまっている場合は、リラックスした環境を作っていただくことも必要です。セックスの経験が乏しく、プレッシャーを感じてしまい、性欲が抑制されてしまうケースであれば、プレッシャーの原因は取り除く必要があります。
性行為は、極めてプライベートなもののため、誰からも教えてもらえず、AV動画などを教科書とし、プレッシャーを感じてしまう方もいます。AVは、show的な要素が強く、参考にする必要はありません。
基本的には、成功体験を積み重ねる事(性行為の回数をこなす)が治療となります。成功体験が、性行為に対する自信に繋がり、性行為に集中できるようになり、それが勃起の維持増強に繋がります。
以前は、バイアグラ・トレーニングとも言われておりました。ED治療薬を使い、成功体験を積み重ねていただく。自信がついてきたら、ED治療薬を減量していく、最終的には、薬なしで性行為が出来るようになる、というものです。依存性や耐性は生じませんので、自信が付くまで、回数をこなしていただきたいと考えます。慌て減量する必要はありません。
対して、全く性欲が高まらない状況は、ED治療薬の効果は期待できません。例えばですが、パートナーに対する愛情が無くなってしまい、性欲が高まらない場合です。パートナーとの関係の問題ですので、この場合は、ED治療薬での対処は難しいかもしれません。
心因性EDの原因は、様々です。上記以外の理由もあると思います。各々の理由に合わせた対処が必要です。
ED治療薬に、依存性はありません。
特に、強いED治療薬を使ってしまうと、自力での勃起力が低下し、ED治療薬無しでは勃起が困難になるとする、間違った認識を持った方がいらっしゃいます。これは間違いです。ED薬に依存性は無く、使用した場合は、相応の効果が得られ、使用していない場合は、ご本人の勃起力に戻るだけです。もちろん、使用回数やED薬の強度の差が、依存性に繋がることもありません。
必要量を服用していただいて問題ありません。
勃起改善効果が得られなかった場合は、耐性が生じたのでは無く、ご本人の性欲が高まりきっていない事など、コンディションの問題です。
ED治療薬は、基本的には耐性が生じる薬ではありません。
服薬法が間違っていないのであれば、加齢による必要量の増加など、ご本人側の変化に原因があると考えます。
50歳代ですと、高血圧や脂質異常症、糖尿病など、生活習慣病が発症しやすい年代でもあります。これらの疾患がEDの原因である事はもちろん、常用薬の影響も確認しないといけません。その他疾患の影響も除外する必要があります。
また、射精の間隔が短いと、満足感や体力的に性欲が高まり難くなります。その場合、効果も得難くなります(ED治療薬の効果発現には性欲の高まりが必要です)。服用間隔を空けていただき、性欲を高める工夫をしていただく必要がる場合もあります。
ただ、処方数をみると、50歳代であれば、シルデナフィル25mgではなく50mgを服用している方が圧倒的に多くなりますので、単純に用量不足の可能性もあります。
念の為、服用法は再確認お願いいたします。少し大変ですが、完全空有時で素面で、性行為の1時間前に服用してみて下さい。もし、これで明確な効果改善があるのであれば、服薬法がルーズになっていた可能性があります。効果がなければ、用量を増やして下さい。
耐性が生じる薬剤ではありませんので、高用量を使ったからといって、体がそれに慣れてしまうといった事はありません。シルデナフィルの年齢に応じた必要量を用いて下さい。それでも勃起改善効果が得られない場合は、原因を検索するために精密検査を考慮する場合もあります。
年齢制限はありません。
池袋スカイクリニックでは、20歳代から80歳代まで、幅広くご相談にいらしていただいております。ご来院に際して、常用薬がある場合は、お薬手帳などをご持参していただき、確認できるようにして下さい。血液検査の結果など、心配な点がある場合は、検査結果をご持参下さい。ご来院前に確認したい場合は、お気軽にご連絡下さい。
大変申し訳ございませんが、未成年者へのED治療薬の処方は自粛しております。ご理解のほど、よろしくお願い申し上げます。
射精遅延効果を期待することもできます。
一般的に、ペニスが怒張すると感度が低下する傾向にあり、ED治療薬でしっかり怒張させることで、射精遅延効果が期待できます。
また、射精を堪えているうちにペニスが萎えてしまった経験を持つ方もいらっしゃると思います。ED治療薬を服用していると、この様な場合でも、勃起を維持しやすくなる、または、動作を止め待っていただくと、比較的速やかに勃起が回復しやすくなり、性行為を続行できるようになります。
勃起改善効果以外にも、射精遅延効果を期待したい場合、やや強めのED治療薬を処方する場合もあります。
また、射精遅延効果を期待し、早漏症治療薬としてED治療薬を処方することもあります。データ的には、ED治療薬の服用によって、10〜15%程度、射精までの時間が延長するとされております。中でも、メカニズムはわかりませんが、レビトラ(バルデナフィル)が、最も射精遅延効果があるとされております。
可能です。連日服用しても、特に問題ございません。
ただし、勃起改善効果を発揮するためいは、性欲の増加が必要です。
連日射精している場合、性欲が高まりにくくなっている可能性があります。性欲が高まりにくい状態では、勃起改善効果が乏しくなります。
もし、連日の服用で効果が減弱していると感じるのであれば、薬自体の効果が減少しているのではなく、ご本人の性欲が減退しているのが原因となります。また、耐性は生じない薬剤です。耐性によって効果が減弱するのではないかという心配は、しなくても大丈夫です。
添付文書上、いずれのED治療薬も、1日1回までの服用、服用間隔は24時間以上空けることになっております。低用量であれば、複数回服用しても良いと説明している場合もあるようです。
例えばバイアグラであれば、日本では50mgまで承認されています。1日の最高量が50mgと言う考えで、25mgであれば2回服用(合計50mg)できるとするものです。50mgを一度に服用するのと、25mgを2回服用するのを比較した場合、最高血中濃度は前者の方が高くなります。副作用を基準に考えた場合でも、25mgを2回服用した場合の方が軽微である可能性があります。
尚、池袋スカイクリニックでは、1日複数回の服用を推奨しておりません。患者様個々人によって年齢や基礎疾患の有無など異なりますので、不適切な使用は、思わぬ副作用の発生に繋がりかねません。
バイアグラ(シルデナフィル)、レビトラ(バルデナフィル)は、添付文書上、食事によって吸収が阻害され、効果低下すると明記されています。シアリス(タダラフィル)は、このような記載は無く、食事に因る吸収低下は無い(少ない)とされています。
ただし、シアリス(タダラフィル)においても、食後に服用することで、効果が得られなかったとする患者様も多数いらっしゃいます。シアリスの説明書でも、かつては、800kcal以上の脂質に富んだ食事の後に服用した場合、効果が減弱する、と記載されていましたが、削除された経緯があります。
基本的には、ED治療薬に限らず、多くの薬剤は、食事に混ざることで吸収が緩徐になる傾向があります。
例えばですが、薬剤の添付文書を見ると、1日1錠や、1日朝夕各1錠など、1日の服用量の記載はありますが、それが食前なのか食後なのか、記載がない場合もあります。
医療機関で処方を受けた場合、多くの薬が食後に服用するよう指示されています(もちろん薬剤によって、食前であったり食後であったりと、服用タイミングが分けられている場合もあります)。実を言うと、空腹時に服用したほうが吸収が良く、効果が得やすい薬も多数あります。
では、なぜ食後服用となっているのか?です。
これは、以前からの習慣に従っているだけ、というところがあります。以前は、胃に負担をかけたり、急激に吸収されることで副作用を誘発する薬剤もありました。食後の服用は、薬剤を食事に混ぜ、ゆっくり吸収させることで、副作用を和らげることを目的としていましたが、最近では、元から副作用が少ない薬剤が増えてきており、必ずしも食後に服用する必要が無くなっています。
もう一つの理由は、服薬を習慣づける意味合いがありました。血圧や糖尿病などの慢性疾患の治療薬は、定期に服用することで、期待通りの効果を発揮することも多く、飲み忘れを減らす(習慣付ける)ことが、治療効果の向上に繋がります。つまり、薬の効果を発揮させるために食後の服用を指示しているわけではありません。
ED治療薬の最大限の効果を期待したいのであれば、ED治療薬は、空腹時の服薬が絶対です。シアリス(タダラフィル)と言えど空腹時の服用をお薦めいたします。空腹時服用と食後服用を比較した場合、効果の持続時間に優位差は無いのかもしれませんが、ピーク時の強さに差が出る可能性があります。
ED治療薬の必要量は、EDの程度によって異なります。メーカーが想定していた有効血中濃度に達するには、効率よく薬剤を吸収させる必要があります。より強力に勃起力をサポートしたいのであれば、ピーク時のパワーを考慮した服用(空腹時の服薬)を心がけて下さい。
食後服用する場合や食事の予定がある場合の服用法を、各薬剤のページに記載しております。ご参考にして下さい。
極端な飲酒量でなければ、飲酒後にED治療薬を服用しても、大きな副作用が出ることは無いと考えられます。しかし、しっかりとした勃起改善効果が得られるかというと、おそらくは、素面の時に服用したのと比較し、かなり効果が落ちると思われます。全く効果が出ない場合も考えられます。
ED治療薬は、空腹時の服薬が基本となります。バイアグラ(シルデナフィル)、レビトラ(現在、ジェネリックであるバルデナフィルのみ市販)、シアリス(タダラフィル)、いずれもです。
食事をし、お酒も嗜み、その後の服薬というのは、タイミング的に最も効果が出ない服用法とお考え下さい。食事や飲酒により、ED治療薬の吸収が阻害されます。また、飲酒自体が勃起力を落とすとされています。この2つの理由から、飲酒後の服用はお勧め致しません。
もし、どうしても飲酒をする予定を避ける事ができない場合は、
①極力、飲酒量、食事量を少なくする
②飲食後から服薬まで、可能なだけ時間を空ける
を心がけて下さい。(勃起増強効果を保証するものではありません)
ED治療薬の選択としては、バイアグラ(シルデナフィル)よりも、レビトラ(バルデナフィル)の方が良いと考えられます。お身体への吸収が良く、食事の影響を受けにくいため、効果が得やすい(バイアグラと比較した場合)と思われます。
食後服用する場合や食事の予定がある場合の服用法を、各薬剤のページに記載しております。ご参考にして下さい。
長時間タイプのシアリス(タダラフィル)を選択するのも良い方法です。飲食後の服用は、やはり吸収が低下し効果が得られなくなる場合があるため、食前に前もって服用しておくのが良いでしょう。服薬したら、2時間程度は、食事、アルコールは避けていただくのが無難です。お体に吸収する時間を設けて下さい。
生活習慣病とEDは深い関係があります。生活習慣病は、高血圧や脂質異常症(コレステロールや中性脂肪)、糖尿病、高尿酸血症などが挙げられますが、これらは全て動脈硬化につながる疾患です。生活習慣病があると、動脈硬化が進行します。
動脈硬化は、脳梗塞などの脳血管疾患や心筋梗塞などの心臓疾患の原因となる事は、マスメディアなどでしばしば取り上げられるので、ご存知の方もいらっしゃると思います。これらの疾患は、突然発症する場合も多く、それ以前は、動脈硬化の進行に気がついていない方が殆どです。
ペニスは血管の集合体です。真っ先に動脈硬化を発症する器官になります。つまり、生活習慣病はEDの原因になります。EDは、生活習慣病の症状の一つと言われており、唯一の自覚できる動脈硬化の症状と言われています。
動脈硬化は、血管の老化現象とも言えます。生活習慣病があると、ペニスが老化すると考えていただいても差し支えありません。
いかがでしょうか?いままで、治療に積極的になれなかった方も、治療する気持ちが湧いてきていただけると幸いです。
高血圧はEDの原因の一つです。
EDと高血圧の関連ですが、報告によって差がありますが、多くの報告で、その関連が指摘されています。高血圧患者のおよそ15%がEDを合併していたとする報告や、新規に高血圧と診断された患者のおよそ40%にEDが認められたとする報告もあります。総合的な評価では、高血圧患者では、EDが1.74倍増加するとされています。
また、高血圧合併ED例は、EDの重症例が多いとの報告もあります。逆も然りで、ED患者例は、高血圧を合併することも多くなっています。ED男性の40%以上に高血圧が合併していたとする報告もあります。
主なメカニズムは、動脈硬化です。動脈硬化は、血管の老化現象とも捉えられます。ペニスは血管の集合体です。ペニスの血管が動脈硬化することは、ペニスの老化に繋がります。高血圧はペニスの老化を早めると考えて良いでしょう。
高血圧は治療すべき疾患です。しかし、降圧薬の副作用によってEDが引き起こされる可能性もあるため、注意が必要です。
ほとんどの降圧薬との併用は可能です。ED治療薬を服用する予定がある日だからと言って、降圧薬の服用を中断しないで下さい。
ハイパジールは、NO基(ニトロ基)を有する薬剤で、ニトログリセリン系薬剤(硝酸剤)に分類できる薬剤です。降圧薬としても狭心症治療薬としても用いられる薬剤です。頻用される薬剤ではありませんが、ハイパジールは、ED治療薬と併用は出来ません。
降圧薬のタイプによっては、EDを惹起する可能性もあります。
全てのED治療薬は、血圧が170/100を超える方は、服用できません。
ED治療薬は、その血管拡張作用から、服薬すると、若干ですが血圧が低下します。極端な高血圧(170/100を上回る)がある場合、その低下幅が増幅します。そのため、起立性低血圧を来す可能性が高くなります。症状で言うと、立ちくらみを生じやすくなります。立ちくらみから、転倒し、骨折や頭部に受傷してしまう可能性があります。極端な例かもしれませんが、重度の起立性低血圧は、意識障害に繋がる場合もあります。起立性低血圧以外にも、血圧低下からくる様々な症状を来す可能性があります。
血圧が170/100を上回る場合は、ED治療薬を服用しないで下さい。
また、高血圧はEDの原因の一つです。ペニスの動脈硬化を惹起することから、EDを引き起こします。ED治療薬と降圧薬との併用は、殆どの場合、可能です。
高血圧を原因とする健康上の問題を生じないように、また、将来のEDの重症化予防のためにも、血圧の治療を行うことをお勧めいたします。
降圧薬(高血圧の薬)は、EDの原因になりえます。降圧薬には、様々な薬剤グループがあります。
主には、
などが挙げられます。
抗アルドステロン薬は、男性ホルモンであるアンドロゲンにも抑止作用を示す事が多く、それによりEDを生じ得ます。
降圧薬の使用順は、高血圧治療ガイドラインに示されており、多くの医師はこれに従って処方を行っています。中心的薬剤は、アンジオテンシンⅡ受容体阻害剤(ARB)/アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤、カルシウム拮抗薬、降圧利尿薬
です。これらを単独または併用します。改善が不十分であれば、他剤を追加していく事になります。
上記の降圧薬の中で、EDに関係あるのは、
です。
サイアザイド系利尿薬剤を第一に挙げましたが、実際は、影響が無かったとする報告もあります。ベータ受容体遮断薬(βブロッカー)は、その評価が定まっておりません、
可能であれば、服薬を避けるのが良いのですが、基本的には、EDよりも血圧の治療を優先して下さい。理由の一つは、高血圧は、心筋梗塞や脳梗塞など、生命を脅かす重篤な病気に繋がる危険際があること、もう一つは、高血圧を放置すると、ペニスの血管の動脈硬化に繋がり、EDが重症化しやすいためです。高血圧の治療を放棄することは、降圧薬の影響以上に、EDのリスクを高める可能性さえあります。将来の健康を考えても、高血圧の治療を行うことを推奨いたします。
糖尿病は、今や国民病とも言われるほど頻度が高い病気です。日本人の4人に1人は、血糖値が高めと言われております。
糖尿病はEDの原因の一つであり、罹病期間が長かったり、コントロール状況次第では、勃起機能に、著しい影響を与える場合もあります。血管障害や神経障害により、レビトラ(バルデナフィル)20mgなど強めにED治療薬を使わないと勃起改善効果が得られない場合もあります。また、糖尿病性合併症が進行している患者様の中には、ED治療薬の効果発現タイミングが安定しない方がいらっしゃいます。ED治療薬の吸収が安定しないことが原因です。
糖尿病の合併症の一つに胃腸障害があります。糖尿病性胃腸障害により、食事の消化吸収が遅延するケースがあります。食後時間を空け、空腹を心がけたつもりでも、実際には、空腹になっておらず、ED治療薬の吸収が阻害されている状況が考えられます。(もし、自己血糖測定を行なっているのであれば、血糖の変動に規則性があるか確認して下さい。糖尿病性胃腸障害がある場合、血糖変動の規則性が失われる傾向があります。)
繰り返しになりますが、バイアグラ(シルデナフィル)含め、レビトラ(バルデナフィル)、シアリス(タダラフィル)、全てのED薬は、空腹時の服用がお薦めですが、また、糖尿病性胃腸障害例では、そもそもED治療薬の吸収自体が遅延してしまう可能性もあります。
この場合、ご本人様に適した服用タイミングを探していくことになります。
食事自体の消化吸収が遅延するため、ED治療薬を服用する予定がある日は、消化吸収の良い食事を心がけたほうが良いでしょう。
バイアグラ(シルデナフィル)とレビトラ(バルデナフィル)は、空腹時で性行為の約1時間前の服用が基本となりますが、1時間前ではなく、より前もっての服用が有効になります。
各自でより良いタイミングを見つける必要があります。
ED薬の種類としては、バイアグラ(シルデナフィル)と比較し、吸収効率の良いレビトラ(バルデナフィル)の方が効果は安定する傾向にあります。
シアリス(タダラフィル)は、なだらかな薬効のピークをもつED薬です。吸収がより遅延することで、薬効の立ち上がりがさらに緩徐になり、勃起機能改善の必要量に達しない可能性もあります。逆に、長時間薬効が持続する薬剤のため、有効時間が長くなり、それによって行為のタイミングを逃し難くなる場合もあります。
持病で糖尿病をお持ちの方全てが、上記のようになるわけではありません。罹病期間、コントロール状況によります。糖尿病患者様の中には、様々な理由から、思うように治療が行えず、コントロールが良くない患者様がいます。
なかには、『人生、太く短くでも構わない。血糖コントロールは気にしない。』とする方もいます。
ただ、EDを専門治療している立場からすると、糖尿病は、しっかり治療していただきたいと思っています。糖尿病のコントロール状況であったり、罹病期間は、EDの程度に直結します。
セックスは、人生を豊かにする要素の一つです。
『人生、太く短くでも構わない』
でも構いませんが、EDにより、『太く』のところが充実できなくなる可能性もあります。
脂質異常症は、動脈硬化を来す疾患です。高LDLコレステロール血症の患者では、血管内皮機能の低下が指摘され、これがペニスの勃起機能障害を惹起する原因となります。さらに、血管の内皮にプラークと呼ばれる”脂肪のかたまり”が蓄積し、血流が悪くなります。陰茎の血管はとても細いため、少しの詰まりでも勃起に必要な血流が不足し、EDの原因になります。
これは「動脈硬化型ED」と呼ばれています。ペニスの動脈硬化がEDの原因となり得ます。動脈硬化は、血管の老化現象とも捉えられており、加齢とともに避けられない現象でもありますが、脂質異常症は、ペニスの老化を早める(動脈硬化)とも言い換えられます。
コレステロールを治療することは、ペニスの動脈硬化を抑制することに繋がり、EDを抑制します。
中性脂肪は、LDLコレステロールほ(悪玉コレステロール)ほどではありませんが、基本的にはコレステロールと同様に、動脈硬化から、EDの原因となりうる、とお考えください。
コレステロールを適正にコントロールすることで、血管内皮の機能が回復し、勃起機能の改善が期待できます。ただし、血管のダメージが進んでいる場合には時間がかかることもあります。
LDL(悪玉)コレステロールが高いと血管内皮が傷つきやすくなり、動脈硬化の進行を早めます。陰茎を含めた全身の血流障害につながるため、EDリスクが高まります。
HDL(善玉)コレステロールは血管をきれいに保つ働きがあり、高いほど動脈硬化の進行を防ぎます。逆にHDLが低すぎると、血管の健康が損なわれEDのリスクが上がるといわれています。
現在市販され、国内で広く処方されている脂質異常症の薬とED治療薬の併用は可能です。
スタチンと呼ばれる、いわゆる悪玉コレステロールを下げる中心的な薬剤は、血管内皮機能を改善する事が知られており、ペニスの血管の内皮機能をも改善します。
また、ED治療薬と併用した場合、相乗効果的に効果が増強されることも指摘されています。
その反面、コレステロールは性ホルモンの前駆物質であるため、これを減少させるため男性ホルモンであるテストステロンを減少させ得ることも指摘されています。
このようにEDに対して相反する作用を持ちますが、総合的には、コレステロール低下からの動脈硬化抑制、血管内皮機能の改善作用が、男性ホルモンの減少を上回るため、EDを改善しうる薬剤であるということになっています。
しかし、動脈硬化の進行例(比較的進行した冠動脈疾患や腎機能障害を有す例など)では、テストステロンの減少作用が全面に出てくる可能性も否定できません。
一般的には、このような動脈硬化の進行例でなければ、将来の健康のこと、EDのことを考えて、治療することをお勧めいたします。
バイアグラ(シルデナフィル)、レビトラ(バルデナフィル)、シアリス(タダラフィル)、全てのED治療薬は、現存する痛風治療薬(尿酸低下薬)との併用が可能です。
ごく稀に、ED治療薬で痛風発作が誘発されるとする報告があります。
当院でも、数例経験があります。もし、仮に夜にED治療薬を使用し、翌朝、痛風発作が生じる場合は、関係が疑われます。(たまたま、発作が生じただけの可能性もあるため、同じ条件で発作を繰り返すか否かを確認する必要があります)
高尿酸血症または痛風は、EDとは強い相関は無いと考えられていますが、糖尿病に合併した高尿酸血症は、EDの危険因子であったとする報告もあります。
高尿酸血症の患者様は、多くはメタボリック症候群を合併していたり、飲酒量が多い例が多数存在します。メタボリック症候群やアルコール多飲は、EDの危険因子です。軽微な要素が積み重なってEDが発症する場合もあります。ライフスタイルに注意を払うことが、ペニスの健康にも繋がります。
以下に、高尿酸血症の治療薬をあげておきます。
先発品名(後発品名):
尿酸生成抑制薬:ザイロリック(アロプリノール)、フェブリク(フェブキソスタット)、トピロリック(トピロキソスタット)、ウリアデック(トピロキソスタット)
尿酸排泄促進薬:ユリノーム(ベンズブロマロン)、ユリス(ドチヌラド:注)、ベネシッド(プロベネシド:注)、パラミヂン(ブコローム:注)
痛風発作寛解・予防薬:コルヒチン(コルヒチン:注)
酸性尿改善薬:ウラリット(ウタゲン、ウロアシス、クエンメット、ポトレンド)
注:2024年7月現在、後発品未発売
参照:
(1)Gouty arthritis at interphalangeal joint of foot after sildenafil use: A case report
Int J Surg Case Rep. 2013;4(1):11-4.
(2)Erectile dysfunction in hyperuricemia: A prevalence meta-analysis and meta-regression study
Andrology. 2022 Jan;10(1):72-81.
肥満は、EDの原因の一つです。
海外からの報告では、肥満の尺度であるBMI体重kg /(身長m)2 の増加とEDに正の相関があるとされています。また、ウエスト周囲径が問題であるとする報告もあります。つまり内臓脂肪(メタボリック症候群)が、よりEDのリスクを上昇さるとしています。林檎や洋梨体型と呼ばれる中心性肥満が、よりEDと関連が高いとしています。
肥満に因る影響は、心因性と器質性の問題があげられます。肥満症の男性は、自分自身が性的に魅力がないと感じ、服を脱いでいる姿を見られるのに抵抗感がある傾向があります(心因性)。
また、器質的に肥満症自体が勃起機能を減弱させます。
これらが複合的に影響し合い、性欲を減退させ、性的接触を減らし、セックスの喜びを減弱させます。
研究報告によれば、ライフスタイルの改善により、肥満症が改善に向かうとともに、これらが改善するとされています。
洋食中心の食生活から、より健康的と言われる地中海食への変更が、EDの改善を示したとする報告があります。欧州泌尿器科学会からは、『ライフスタイルの改善とEDの危険因子の修正は、薬物治療に先立って、または、並行して行なわなければならない』としています。
ライフスタイルを改善し、肥満やメタボリック症候群を解消することで、勃起機能の改善が期待できます。
参照:
#1:Abdominal obesity and physical inactivity are associated with erectile dysfunction independent of body mass index
J Sex Med . 2009 Jul;6(7):1990-8.
運動習慣は、EDを改善したり、予防できる事が、様々な臨床研究で明らかになっております。
30分以上の日々の運動習慣は勃起機能を改善するとされ、肉体労働に従事している男性と比較し、デスクワークの男性の方がEDの有病率が高かったとする報告もあります。どのような運動が、ED改善により効果的であるかは、現時点では明確になっていません。
米国では、アメリカ人向けの運動指針が作成されており、それを基準とした研究報告もあります。それによると、月に一度のレジャー活動はEDを27%減少させ、活発な運動活動はEDを42%を減少させたとしています。活発な運動(6〜8MET:*)を月に10分以上行った場合と、10分未満であった場合と比較し、運動量が多い群ではEDのリスクが25%減少したとしています。
また、この報告では、筋肉トレーニングの効果は不明となっています。筋肉トレーニングは、心血管系疾患や糖尿病、癌の死亡率を低下させる事が明らかになっており、EDにも有益である可能性がありますが、現時点では、はっきりしていません。今後の研究報告次第では、有益と判断されるかもしれません。アメリカ人向けですので、日本人に完全に当てはまるわけではありませんが、傾向は同様と考えます。
ED治療薬によるED治療は、もちろん効果的です。運動習慣が身につくことにより、よりEDが改善いたします。ED以外のお体のことを考えても、運動習慣は大切です。
参照:
#1:The Physical Activity Guidelines for Americans
JAMA. 2018 Nov 20; 320(19): 2020–2028.
#2:The association of various physical activities with erectile dysfunction: NHANES 2001-2004
Sex Med.2023 Jun; 11(3): qfad036.Published online 2023 Jul 25.6〜8
#3:Physical activity and PDE5 inhibitors in the treatment of erectile dysfunction: results of a randomized controlled study
J Sex Med. 2010 Jun;7(6):2201-2208.
*:1METは、安静に座している時の酸素消費量。6〜8METsは、ジョギングや登山、サイクリング、余裕のある水泳などの運動が当てはまります。
ロードバイク(自転車)の硬くてシャープなサドルが、会陰(陰嚢と肛門の間)を圧迫し、EDを生じる危険性が指摘されています。週に3時間以上バイク(自転車)にまたがる男性と、ジョギングや水泳をする男性と、EDの有病率を比較した研究報告があります。それによると、バイク(自転車)に跨る例では、中等度〜重度のEDの有病率が約4%であったのに対し、ジョギング例で1.1%、水泳例で2%であったとしています。
アフリカからは、長距離商用車ドライバー(4輪運転者)と長距離商用ライダー(バイク運転者)のED有病率を比較した報告によれば、前者のED有病率が47.4%であったのに対し、後者のバイク運転者は71.4%で、優位に高率であったとしています。
サドルにより会陰部に過度の圧迫が加わることで、陰茎への血流が低下し、血管障害からEDが生じる、サドルの圧迫により神経障害が生じEDが発症等が機序として考えられています、が明らかではありません。いずれにせよ、サドルによる会陰の圧迫が原因である可能性が高く、対策をする必要があります。
サドルを幅広のものに交換する、サドルの素材をジェルなど柔らかな物に交換する、自転車に跨る姿勢を、前傾では無く、より起立した姿勢に近づける、サドルの位置を下げる、などが挙げられています。
運動習慣は、EDを改善する事が証明されておりますが、ロードバイクのようなスポーツタイプの自転車のサドルは、悪影響が生じるため、避ける必要があります。
参照
#1:Bicycle riding and erectile dysfunction: an increase in interest (and concern)
J Sex Med . 2005 Sep;2(5):596-604.
#2:Bicycle riding and erectile dysfunction: a review
J Sex Med . 2010 Jul;7(7):2346-58.
#3:Prevalence and correlates of erectile dysfunction among long-distance commercial vehicle drivers and commercial motorcycle riders in Ibadan Nigeria: a comparative cross-sectional study
Afr Health Sci . 2022 Sep;22(3):1-12.
過度の飲酒は、EDの原因となります。
過度の飲酒は、精巣(睾丸)萎縮を招き、男性ホルモンであるテストステロンを減少させます。男性ホルモンが減るため、男性機能が弱くなります。また、慢性的な過度の飲酒に因り神経障害が発症することが知られていますが、主に自立神経障害によりEDが発症します。
適度な飲酒(飲酒量には個人差があるため、量については一概にお答えが難しいです)は、どうかと言うと、最近の報告では、適度な飲酒はEDに対し予防的に作用し、飲酒量は少なくても多すぎる場合でも、将来のED発症の予測因子になるとしています。つまり、飲酒量とEDの関係は、J字型のカーブを描くとしています。
他の報告では、適度な飲酒量は将来のED発症を予防するとした報告もあれば、飲酒はEDの原因であったとする報告もあります。
現時点では、アルコールの影響は断定できませんが、度を越した飲酒は、やはり、EDの原因になるとお考えいただいても良いと思います。
ED治療薬の服用タイミングで言うならば、ED治療薬を使用する場合は、行為前の飲酒は極力控えていただいた方が無難です。少々の飲酒は、リラックス効果をもたらし、性欲が高まるとする報告もありますが、量のコントロールが難しいです。過度の飲酒(酩酊状態)は、中枢神経に影響を与え、ペニスに対して勃起を促す命令が伝わりにくくなります。知覚神経は鈍感になるため、ペニス何らかの性的な刺激が加わった場合でも、その知覚が脳に伝わらにくくなるため、性的興奮も生じにくくなります。
また、飲酒に因り生じる脱水状態は、アンギオテンシンを増加させ、血管を収縮させます。血管の収縮は、ペニスへの血流を低下させるため、勃起を得にくくなります。
このように、過度の飲酒は、勃起には多くの悪影響をもたらします。
飲酒量については、
などの理由から、説明に苦慮するケースが多いです。
また、飲酒により、ED治療薬の吸収が阻害され、満足な効果が得られない可能性があります。勃起が得られた場合でも、オーガズムに達しにくくなります(遅漏)。
ちなみにですが、飲酒は女性の性機能にも影響を与えます。
適度な飲酒は、性欲を高める可能性がありますが、過度の飲酒は、女性膣の潤い不足を来たし、オーガズムに達しにくくするとされています。
セックスは、運動行為と見なすこともできます。飲酒後に運動をする方は、いないと思います。飲酒によりED治療薬の副作用が増悪する可能性もあります。節度ある飲酒を心がけて下さい。
参照:
A Meta-Analysis of Erectile Dysfunction and Alcohol Consumption
Urol Int. 2021;105(11-12):969-985.
喫煙は、EDの原因となります.
喫煙本数や喫煙年数の増加とともにEDの発症頻度と重症度が増します。疫学データでは、喫煙者は非喫煙者と比較し、EDの有病率が2〜3倍増加するとする報告もあります。
喫煙により生じる酸化ストレスが血管内皮障害を引き起こします。血管の様々な機能を障害します。勃起機能もその一つです。ペニスは血管の集合体であり、血管障害の影響を直に受ける器官です。
また、喫煙により、男性ホルモンであるテストステロンが低下することも指摘されています。
詳細な機序は不明ですが、喫煙が直接、テストステロンを低下させる可能性、喫煙を危険因子とする前立腺肥大/下部尿路症状の発症がテストステロンを低下させているなど、様々な機序が疑われています。
前立腺肥大/下部尿路症状もまたEDの危険因子であるため、禁煙することは有用です。
禁煙することで、勃起機能が改善するとする研究報告もあります。
まず、病状が安定しており、術後6ヶ月以上経過している事が前提となりますが、性行為自体が可能か否か、バイアグラなどのED治療薬の服用が可能か否かの2点を判断する必要があります。主治医から、運動制限を指示されていない場合は、セックス可能です。
セックスは、オーガズム時に心拍数や血圧が上がる傾向など、やや特殊な面がありますか、基本的には運動行為です。一般的に、性行為は、手荷物を持って階段を登る事と同程度の負荷と考えられれおり、これが可能な場合は、問題ないと考えられます。正確には、トレッドミル負荷試験を行います。試験にて運動耐用能を評価します。セックスは、おおよそ3METs程度の運動量となります。1METsは、椅子に座って安静にしている時の運動量になります。これを基準に、様々な運動が定量化されています。3METsという運動量は、犬の散歩や電動自転車に乗るくらいの運動量です。トレッドミル負荷試験にて、セックスに耐えうる運動耐用能(3METsの負荷で問題ない)があると判断された場合、セックス可能となります。
皆さんもお気づきかもしれませんが、性行為中の体位によって、疲労度が異なります。心機能が低下していても、女性上位にするなど、工夫をする事でセックス可能となる場合もあります。もし、セックス中に息切れや動悸などを認める場合は、休憩を取るなど、無理をしない事が肝要です。
禁止するのは簡単ですが、それでは生活の質(Quality Of Life:QOL)を著しく損ねてしまいます。可能なものは可能であると、正しく判断する必要があります。
次に、常用薬との飲み合わせの確認が必要です。ニトログリセリン系薬剤(硝酸剤)や一部の抗不整脈薬との併用が出来ません。
ED治療薬は心臓に負担をかけける薬剤ではなく、性行為自体が運動行為であるため、心臓疾患のために運動自体が難しい場合は、性行為自体ができないと言う事になります。ED治療薬が心疾患を増悪させる事はなく、無理な運動(性行為)によって増悪する可能性があると考えて下さい。
バイアグラ(シルデナフィル)、レビトラ(バルデナフィル)であれば、狭心症治療後6ヶ月、シアリス(タダラフィル)であれば、3ヶ月以上病状が安定し経過している必要があります。
また、運動制限(性行為の制限)を指示されているか否かが、ニトログリセリン系薬剤(硝酸薬)や一部の抗不整脈薬を服用しているか否かが、ED治療薬服用の判断基準になります。
各ED治療薬の項でも記載しておりますが、全てのED治療薬とニトログリセリン系薬剤(硝酸剤)は、心疾患が安定していようが、併用ができません。
バイアグラ(シルデナフィル)であればアミオダロン(アンカロン)、レビトラ(バルデナフィル)であれば、Ⅰb群抗不整脈薬との併用ができません。飲み合わせの問題です。
主治医から、運動制限を指示されていたり、軽労作で息切れなど心不全症状を認める場合は、セックス(運動)は難しいです。運動量はMETsという単位で表せます。1METsは、椅子に座って安静にしている状態です。
射精時に心拍数の上昇や血圧の上昇を認めたり、やや一般的な運動と異なるところもありますが、セックスは、2.8METsの運動負荷とされています。3METsの運動負荷を例に上げると、犬の散歩や電動自転車を漕ぐ程度になり、これが大丈夫な場合は、セックスも恐らく問題ありません。同程度の運動負荷で問題が生じる場合は、それが軽度であるのであれば、休憩を取ったり、女性上位にするなど、運動量を減らす工夫をしていただくことで、セックス可能となることもあります。
心機能の評価を厳格に行わなくてはいけない状況では、トレッドミル負荷試験を行い、運動耐用能を検査する事もあります。
心臓弁膜症に関わらず、まず、心不全病状が安定していることが大切です。安定しており、ある程度の労作が可能であることが必要です。
ある程度の労作とは、例えばですが、電動自転車で近隣にお買い物に出かけられる、犬を連れて、単独で散歩するよりもやや早めに散歩ができる程度の運動量です。だいたい、性行為は、同じ程度の運動量とされています。
治療法や手術の有無も関係ありません。関係あるのは、治療のために定期に服用している薬剤とED治療薬との併用が可能か否かです。
また、運動制限の指示がない場合は、許す限り、運動を行うことをお薦めいたします。(無理は厳禁です。)
古くは心不全を増悪する可能性があるため制限されることもありましたが、最近では、運動療法の有効性が広く知られるようになり、運動療法が生活の質(Quality of Life:QOL)を改善することが知られています。
EDに関しても同様で、心不全例であっても、運動を行い、運動耐用能が改善するとともに、勃起機能も改善するとされています。
参照:
Effects of short-term moderate exercise training on sexual function in male patients with chronic stable heart failure
Int J Cardiol. 2005 May 11;101(1):83-90.
全てのED治療薬は、服用可能です。
右脚ブロックは、しばしば認められる心電図所見です。脚ブロックの程度により、不完全右脚ブロックと完全不脚ブロックに分けられます。右脚ブロックは、病的な意味合いはなく、正常と範囲内とされています。つまり、右脚ブロックがあっても、バイアグラ(シルデナフィル)、レビトラ(バルデナフィル)、シアリス(タダラフィル)のいずれも、服用可能です。
バイアグラの副作用の一つに右脚ブロックが記載されていますが、頻度は1%未満です。バイアグラと右脚ブロックの因果関係ははっきりしません。
右脚ブロックは、心拍依存性に生じる場合があります。ED治療薬の服薬で心拍数が上昇するのが理由かもしれません。いずれにせよ、ED治療薬の服用は可能です。
期外収縮は、心房から発生する心房(上室)性期外収縮と、心室から発生する心室性期外収縮に分類されます。
期外収縮は、正常の方でも、時々認める不整脈です。
また、心臓疾患を持っている場合も、やはり発症しやすくなっている場合もあります。
期外収縮自体で、ED治療薬の服用の可否を判断することはありませんが、例えばですが、自覚症状がなく、健康診断などで、期外収縮のみを指摘され、精密検査の指示がない場合は、問題なく服用できる事がほとんどです。動悸など自覚症状がある場合であっても、心疾患が認められない場合も多数あります。
この場合もまた、ED治療薬を服用可能です。
基礎疾患として、心臓疾患がある場合においても、期外収縮の有無で、ED治療薬使用の可否を決めることはありません。
まず、抗不整脈薬を服用しているかを確認する必要があります。
バイアグラ(シルデナフィル)は、アミオダロン(アンカロン)と、レビトラ(バルデナフィル)は、Ⅰb群およびⅢ群の抗不整脈との併用ができません。
さらに、心疾患の治療のために、硝酸剤(ニトログリセリン系薬剤)の服用がある場合は、ED治療薬は服用できません。
また、性行為は運動であり、心疾患によって運動制限をしなければいけない状態では、性行為を控える必要があります。(厳密にいうと、この場合は、性行為がダメであって、ED治療薬の服用自体は、ダメではないということになります。)
心房細動は、慢性心房細動と発作性心房細動とがありますが、いずれの場合でも、まずは、常用薬の確認が必要となります。
抗不整脈薬のうち、バイアグラ(シルデナフィル)は、塩酸アミオダロン(アンカロン)、レビトラ(バルデナフィル)は、Ⅰb群とⅢ群の抗不整脈薬との併用ができません。シアリス(タダラフィル)は、抗不整脈薬による制限はありません。また、心疾患の治療として、ニトログリセリン系薬剤(硝酸剤)を服用している場合は、いずれのED治療薬との併用が禁忌となっています(併用できません)。
基本的には、ED治療薬が心房細動を増悪させる、誘発することは無いため、心房細動の有無で、ED治療薬の可否が変わることはありません。
併用薬によって、使用の可否が決まります。
心房細動時に、一般的に行われる抗凝固療法に使用される薬剤は、いずれの薬剤も併用可能です。
もちろん、運動行為自体が制限されている場合は、性行為自体が出来なくなります。
最近は使用頻度は減っていますが、心房細動例における心拍数のコントロールのためにジギタリス製剤を使うことがありました。ジギタリス製剤は、薬剤性EDを来すことが古くから知られている薬剤です。
ED治療薬は、狭心症発作や心筋梗塞の原因となることはありません。ED治療薬の服薬にかかわらず、性行為を行うこと事態が、わずかながら心臓突然死のリスクである事が知られています。
発作を頓挫させるために、レスキューとしてニトロペン舌下錠などの硝酸薬(いわゆるニトロ)の処方を受けていたとしても、絶対に、これを服用しないで下さい。ED治療薬と併用する事で、血圧が低下する可能性があり、事態をより一層難しくさせるリスクがあります。
また、仮に救急外来を受診される場合は、担当医師に、ED治療薬を服用していたことを説明して下さい。教育を受けた循環器医であれば、硝酸薬の投与に先立って、ED治療薬の服用の有無を問診致しますが、不慣れな医師の場合、このことに気が回らない可能性もあります。担当医師にED治療薬を服用していた旨を伝える必要があるとお考えください。
救急搬送時に意識が混迷している場合も考えておく必要があります。この場合は、ご本人に代わって、パートナーが医師にシアリスを服用している旨を説明しなくてはいけません。パートナーに、ED治療薬を服用中であることを告げておいていただけると、より良いです。
ED治療薬は、不整脈を誘発する薬剤では無く、また、多くの抗不整脈薬との併用も可能な薬剤です。
不整脈は、運動で誘発される場合もあります。セックスは運動行為でもあるため、セックスが不整脈の引き金になることがあります。もともと不整脈がわかっている方は、主治医と相談し、その時の対処法を確認して下さい。ちなみに、ED治療薬の中でも、シアリスと抗不整脈薬は、併用可能な場合がほとんどです。
抗不整脈で治療中であったり、抗不整脈薬を頓用する事がある場合は、所持している場合は、当院医師に併用できるか確認しておいて下さい。
自己判断しないで、必ず、医師の指示に仰いでください。
人工透析中の方は、バイアグラ(シルデナフィル)が服用可能です。
レビトラ(バルデナフィル)、シアリス(タダラフィル)は服用できません。人工透析例に問題なくレビトラ(バルデナフィル)、シアリス(タダラフィル)を使用できたとする報告もありますが、人工透析例への使用は、正式には承認されていません。
ED治療薬は、基本的に肝臓で代謝される薬剤です。腎障害例でも、いずれのED治療薬でも服薬可能と思われますが、実際には、レビトラ(バルデナフィル)、シアリス(タダラフィル)の使用は制限されています。
バイアグラ(シルデナフィル)は、治療実績も豊富です。人工透析例では、効果が増強する可能性があるため、バイアグラ(シルデナフィル)の25mgから開始する事になっています。
古くはIgA腎症などの慢性糸球体腎炎を原因とし、人工透析をされている方が多かったのですが、最近は、糖尿病例が増加しています。糖尿病例の場合、比較的重度の動脈硬化の進行を伴っている事が多く、陰茎の動脈硬化や糖尿病性神経症から、EDも重度の場合が多くなります。この場合、やはり高用量のバイアグアラ(シルデナフィル)が必要になります。
バイアグラ(シルデナフィル)25〜50mgで効果が得られず、100mg(本邦未認可の用量)まで増量することで初めて勃起改善効果が得られたとする報告もあります。
EDの原因となります。
慢性腎臓病例のED有病率は、一般男性と比較し、高率であることが知られています。慢性腎臓病は、病期によって、stageⅠ〜Ⅴまで分類されますが、stageⅢ以降では、ED有病率は70%に達するする報告もあります。EDだけで無く、性欲減退や乏精子症など、様々な性機能障害を引き起こすとされます。また、腎機能障害が増悪するとともに、性機能障害は増悪するとされています。性機能障害(ED含む)を惹起するメカニズムは多岐に及びます。ホルモンの問題であったり、血管内皮機能障害、自律神経障害、貧血や造血ホルモン(エリスロポエチン)の欠乏、続発性副甲状腺機能亢進症など、様々な原因が指摘されています。さらに、透析患者においては、メンタル的に抑うつを合併している場合があり、抑うつがEDの原因となる場合もあります。
慢性腎臓病や、それに合併する様々な疾患の治療薬によってEDが引き起こされる可能性もあります。
治療は、バイアグラなどのED治療薬が第一選択薬になります。レビトラ(バルデナフィル)は、腎機能障害例での使用が認められていないため、注意が必要となります。
これに加え、慢性腎臓病の治療や、合併する疾患(高血圧など)の治療など、全身状態のコントロールになります。
男性ホルモンであるテストステロンの欠乏が確認されればテストステロン補充療法を、貧血や続発性副甲状腺機能亢進症を認める場合は、その改善を行います。
参照:
Int Braz J Urol. 2018 Jan-Feb; 44(1): 132–140.
World J Nephrol. 2015 Jul 6; 4(3): 379–387.
重度の肝機能障害の場合、いずれのED治療薬も服用できないとされています。
軽度の脂肪肝程度であれば、健常者と同様に服薬可能です。肝硬変症と診断されている場合は、ED治療薬の服用は出来ません。
肝硬変症は、かつては慢性ウイルス性肝炎や過度の飲酒が原因の大多数を占めておりましたが、最近は、非アルコール性脂肪肝炎(Non-alcoholic Steatohepatitis:NASH)が原因として増加しております。脂肪肝と非アルコール性脂肪肝炎は、血液検査だけでは鑑別する事が困難です。検診等で実施した血液検査の結果から、肝機能障害を理由に受診指示があった場合は、ご相談ください。お電話でお問い合わせいただくか、受診時に血液検査結果をご持参下さい。
ED治療薬は、基本的には、肝臓で代謝される薬剤です。肝障害がある場合は、薬剤の代謝が遅延するため、副作用が強く生じたり、効果自体も増強、遷延してしまう可能性があります。
肝機能障害の程度に因りますが、EDの原因となります。肝機能障害の最重症とも言える肝硬変症は、EDの原因となることが指摘されています。
男性であっても、ごく少量の女性ホルモンが体内に存在するのですが、この女性ホルモンは肝臓で代謝分解されます。肝機能障害が顕著の場合、女性ホルモンの代謝分解が遅延し、健常者と比較すると、相対的に女性ホルモンが優位となります。この様なメカニズムで、男性機能が弱くなる場合があります。これは、肝硬変症でしばしば認められる女性化乳房のメカニズムでもあります。
肝硬変症は、かつては慢性ウイルス性肝炎(主にC型肝炎)から進行したものが殆どを占めていましたが、現在は、アルコール性肝炎や非アルコール性脂肪肝炎(NASH)を基礎疾患とする例が増加しています。アルコールが原因だった場合、肝機能障害だけでなく、アルコールによって精巣萎縮(睾丸萎縮)を来たし、EDとなることもあります。男性ホルモンであるテストステロンの精巣(睾丸)からの分泌が低下することが原因です。
EDは、肝機能障害の程度に左右されます。肝硬変症に至っていない場合でも、中等度の肝機能障害であってもEDの原因になり得ます。軽度の肝機能障害はEDの原因となることは少ないです。
肝機能障害は症状が出にくく、検診結果などだけで指摘される場合もあり、気が付いたときには肝機能障害が進行していたといったことにもなりかねませんので、注意が必要です。
全てのED治療薬は、服用可能です。
前立腺肥大症は、加齢とともに増加する、男性にとって避けることができない疾患です。主な症状は、(夜間)頻尿、残尿感です。
中心的な治療薬は、アルファ受容体遮断薬(αブロッカー)と呼ばれる薬剤です。尿道を拡張し、排尿障害を改善します。これら薬剤とED治療薬の併用は可能ですが、服用に際し、注意事項があります。アルファ受容体遮断薬(αブロッカー)と呼ばれる薬剤は、血圧低下作用を有すことが多く、副作用として起立性低血圧(立ちくらみ)が挙げられています。ED治療薬も、頻度は少ないですが、起立性低血圧(立ちくらみ)が生じる場合があります。これらを併用することで、より起立性低血圧(立ちくらみ)が生じる可能性が高まります。ゆっくり動作をする、など、注意をして下さい。
また、臨床で使用されるアルファ受容体遮断薬(αブロッカー)のうち、特にシロドシン(ユリーフ)には、射精遅延効果がある事が指摘されており、早漏症治療薬として転用される事も増えています。
また、抗アンドロゲン療法(抗男性ホルモン療法)として、5α還元酵素阻害剤であるデュタステリド(アボルブ)を使用することもあります。前立腺の容積自体を縮小させます。この薬剤は、抗男性ホルモン作用を持つため、EDを発症しうる薬剤(薬剤性ED)でもあります。もし服用にあたって性欲減退やEDを自覚したのであれば、薬剤の変更を考慮しても良いかもしれません。
デュタステリド(アボルブ)も、全てのED治療薬との併用は可能です。
EDの原因となります。
排尿障害は、前立腺肥大など、様々な疾患で生じますが、最近は、下部尿路症状(LTUS:lower urinary tract symptoms)と言う疾患概念で、まとめて扱われることが多くなっています。下部尿路症状は大きく、膀胱刺激症状と閉塞症状に分けられます。閉塞症状を来す代表疾患が前立腺肥大症です。
前立腺肥大症/下部尿路症状は、EDとの関係が大きいとされ、患者のおよそ70%にEDが合併していたとする報告もあります。有病率は、年齢とともに増加し、その重症度が、他方の重症度と相関している傾向があります。つまり、前立腺肥大/下部尿路症状の症状が著しい場合は、EDの程度も重度であることが指摘されています。逆も、同様です。
EDと前立腺肥大/下部尿路症状は、共通の危険因子を持つことから、その発症機序も共通である可能性が高く、同時に治療していくことが有効と考えられています。両疾患の共通の危険因子として、運動、喫煙、飲酒(アルコール)、抑うつ、高血圧、脂質異常症、糖尿病、肥満、テストステロン(男性ホルモン)などがあげられます。
テストステロン(男性ホルモン)については、現時点では、前立腺肥大症/下部尿路症状の治療には実用化されていません。前立腺肥大症治療薬として、抗アンドロゲン療法(抗男性ホルモン療法)がありますが、これと矛盾するためです。性腺機能低下症の男性にアンドロゲン(男性ホルモン)を補充すると、前立腺肥大症/下部尿路症状が改善したとする報告があります。
テストステロン(男性ホルモン)については、今後の研究報告を待ちましょう。
全てのED治療薬は、服用可能です。
代表疾患であるパーキンソン病や、黒質線条体黒質変性症、オリーブ橋小脳萎縮症、シャイドレーガー(Shy-Drager)症候群などのパーキンソン症候群を治する多系統萎縮症、自律神経障害を生じる脳変性疾患では、ED治療薬の服用に際し、注意事項があります。
ED治療薬は、血管拡張作用を有し、軽度ですが血圧が低下する薬剤です。血圧は、自律神経によって調整されています。自律神経が障害されると、血圧の調整が障害されることになります。特に、起立性低血圧(立ちくらみ)が生じやすく、上記の疾患の方は、自律神経障害の程度によりますが、起立性低血圧が生じやすいとされます。ED治療薬を服用した場合、血圧低下作用から、起立性低血圧(立ちくらみ)が、より生じやすくなる場合があります。ゆっくり動作をする、など、注意をして下さい。
パーキンソン病患者の半数以上は、病初期の段階から、何らかの性機能障害を認める事が多いとされています。最も多く見受けられるのは、性的な衝動や興奮の低下です。EDを自覚する場合も多く、それ以外にも、遅漏や早漏などの射精障害をきたすとされます。また、これとは逆に、性的な衝動が亢進するHyper sexualityと呼ばれる状態になる事もあります。
女性の場合は、膣の潤いの低下や、性行為中の尿失禁を認める場合があります。
パーキンソン病患者様のEDにおいても、バイアイグラなどのED治療薬は有効とされています。
世界各国から、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)とEDの関連が報告されております。
新型コロナウイルスは、ACE2受容体に結合し、血管内皮障害を引き起こします。さらに、同様に、精巣(睾丸)に侵入し、ライディッヒLeydig細胞やセルトリSertoli細胞を障害し、男性ホルモンであるテストステロンを減少させます。このようなメカニズムからEDが発症する他に、心因の影響も指摘されています。社会的隔離や感染への不安、死亡への恐怖といった心理的ストレスも性的機能に悪影響を及ぼすことが示唆されています。
COVID-19によるED発症には、これら器質的要因(血管内皮障害やホルモン異常)と心理的要因の双方が関与すると考えられています。
治療法は、いわゆるバイアグラなどのED治療薬が中心となります。
EDが徐々に改善する場合もありますし、症状が遷延する可能性も指摘されています。
いずれのED治療薬も、挙児希望時に使用していただいても、影響はないとされています。実際に、産科で、男性用にバイアグラが処方されるケースもあります。ED治療薬を使用したからといって、妊娠率に変化があるわけでも無いため、必要があれば、使用していただいて、何ら問題ありません。
一般的に、男性が服用中の薬剤は、女性が服用している場合と異なり、胎児への影響は無いとされています。もし影響が生じてしまった場合は、そもそも妊娠が成立しません。余談ですが、バイアグラ(シルデナフィル)やシアリス(タダラフィル)は、子宮内胎児発育不全に有効である可能性が指摘されています。
2022年4月、男性不妊に対して処方されるED治療薬について、一部保険適応となりました。この場合ですが、前提として、挙児希望し、パートナーの女性とともに通院している事が必要です。また、男性不妊であると診断されて初めてED治療薬が処方されます。そのため、諸検査を行い、男性不妊であると診断する必要があります。
女性の月経(生理)の1周期に対して4回分(4錠)、6周期分が上限となっています。処方には、定期の受診が必要になります。お薬代のほか、診察費用、検査費用、処方箋料、調剤料などが必要になります。
大変申し訳ございませんが、池袋スカイクリニックは、自由診療(保険外診療)を行うクリニックです。ED治療薬を保険適応しての処方は行っておりません。保険診療をご希望の方は、他院を受診して下さい。
挙児希望児にしばしば見受けられるケースで、心因性EDと考えられます。
単純に、妊娠を目的だけで行うセックスに、性的興奮が得られない場合や、排卵日に行為をしなければならないプレッシャー、もし自分のせいで妊娠しなかったらという不安感、逆に、挙児を希望していない深層心理が存在したりなど、様々な要素が重なって、EDを発症します。
働き盛りの年代である事も多く、仕事が忙しく、疲れや気持ちの余裕の無さから、セックスをしたいと言う気分にならないこともあります。
これは、男性だけで無く、女性にも当てはまる事です。
不妊と診断される事と、その治療期間中は、男女ともに、カップルにとって人生で最もストレスの多いものともされています。このストレスにより、男女ともに性機能障害をきたす可能性があります。不妊治療中のカップルは、そうでない場合のカップルと比較し、性的満足度が低いとする報告もあります。さらには、女性の排卵日に近づくにつれ、性機能が低下するとする報告もあります。
クリニックの性格上、男性からの相談が多く、担当医師も男性ですので、男性に対して共感できる事が多数あります。また、パートーナーである奥様も、一生懸命であることは、容易に想像できます。不妊症治療によるストレスは、男性よりも女性の方がより感じやすいとする報告もあります。どちらかが欠けてもセックスはできません。お互いに、自分だけがストレスを感じているのでは無く、パートナーもストレスにさらされていることを、理解する必要があります。
男性には、『奥様も一生懸命であると思いますので、可能な限り協力してあげてください』、女性には、『子作りだけの目的でセックスをするのでは無く、日頃からセックス行い、そのうちの1日が排卵日に当たるようにするなど、雰囲気作りも必要です』などのように、お話しさせていただいております。
池袋スカイクリニックからのご提案として、排卵日だけでは無く、日頃から、セックスを楽しんでいただければと思います。男性の性欲が高まらなければ、勃起が得られないばかりではなく、射精量の減少から妊娠率の低下を来します。雰囲気作りは大切です。良くご相談していただき、お互い思いやりのある関係を築けるようにしていただけると、良いかと思います。
参照:
INFERTILITY AND SEXUAL DYSFUNCTIONS: A SYSTEMATIC LITERATURE REVIEW
Acta Clin Croat. 2019 Sep; 58(3): 508–515.
以前より、出産に立ち会うとEDが発症しやすいとは言われています。確かに、池袋スカイクリニックに来院される挙児希望の男性のお話を伺うと、第一子目の出産に立ち会われた方が多い印象です。この場合、原因は、心因と考えられます。つまり、心因性EDです。原因として、出産時に、膣より子供が出てくるのを見て、また、出血を見て、生々しさを感じてしまったこと、などが挙げられます。
このようなケースは、性行為を再開すると、自然と改善する印象です。
妻に対して性欲が湧き難いと言う場合もあります。ここで、勘違いしないで欲しい事は、相談に来る男性の多くは、奥様に対する愛情がなくなっている訳ではないと言う事です。
奥様が、お子様を育てている様子を見ると、『家族』と感じてしまい、性的な対象では無くなってしまう場合がある様子です。簡単に言うと、”子供のお母さん”、と感じることが、性欲の湧きづらさに繋がっています。単純に、仕事が忙しい、余裕がないと言ったケースもあります。中には、住宅事情から、子供と同部屋で寝ているため、性行為に集中できないと言ったケースもあります。
いずれのケースにおいても、『お互いで性欲を高める工夫をする』、『性行為に集中できる環境を整える』、『体調を整える』など、行なって頂くのが良いと考えます。
産後、性行為を行なっておらず、久しぶりであると言う方も多く、”性行為をする”ことが、一番の治療かと思います。
開院時間
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注:祝日であっても、日程により、20時まで開院している場合があります。
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