池袋スカイクリニック » EDとは2 » ポルノ誘発性ED|AV中毒
いわゆるZ世代と呼ばれる若年者層は、デジタルネイティブやソーシャルネットワークネイティブとも呼ばれ、インターネットから様々な情報を得ているとされます。
ポルノ(AV)もその一つです。
10代の頃よりポルノを長時間閲覧することが、EDに繋がるとする報告があります。
インターネットにて容易にポルノを閲覧できるようになったことと、若年者のED例の増加時期が一致するため、これが原因と考えられています。
海外では、
というワードがあるほどです。
日本でも、同様の傾向がある可能性を示唆しているとも言えます。
最近、しばしば、ポルノ誘発性EDについて取り上げられるようになっています。
未だ、不確かなところはございますが、興味のある方は、ご参考下さい。
研究段階ですが、Cyber Pornography Addiction Test (CYPAT)による診断も提案されています。
EDとポルノ(AV)鑑賞やオナニー(マスターベーション)の頻度との関係は、現在のところ定まっていません。ポルノ(AV)を閲覧する場合、オナニー(マスターベーション)が伴うケースが多いことから、ポルノ(AV)が原因ではなく、オナニーの頻度(マスターベーション)の問題だとする考えもありましたが、最近では、ポルノ(AV)を鑑賞することへの依存性や中毒性が注目されています。
ポルノ(AV)に依存性や中毒性を感じる場合は、EDと関係があるとする研究報告が散見されるようになっており、ある研究報告では、ポルノ(AV)鑑賞への依存性や中毒性とEDを含む性機能障害との因果関係を指摘しています。
参照:
(1)Compulsive sexual behaviour disorder in the ICD‐11
World Psychiatry. 2018 Jan 19;17(1):109–110.
(2)Mental and sexual health perspectives of the International Classification of Diseases (ICD-11) Compulsive Sexual Behavior Disorder •
J Behav Addict. 2022 Jul 13;11(2):226–229.
ポルノ(AV)依存症や中毒は、疾患(病気)として捉えられようとしています。
つい最近ですが、これらは、世界保険機関(WHO)が作成する国際疾病分類の第11回改訂版(ICD-11:2022年)では、強迫的性行動症:Compulsive sexual behaviour disorder(CSBD)として、衝動制御症候群の一つとして分類され、疾患(病気)として明記されるようになりました。(現時点では、科学的研究報告が少ないため、中毒や依存症には分類されていません。)
反対に、アメリカ精神医学会の作成している診断基準(DSM-5)には、これに該当する項目はありません。(ちなみにセックス依存症といった病名・診断基準もありません)
未だ、議論はありますが、しかし、実際に、ポルノ(AV)依存症や中毒を自覚する男性が増加し、性機能専門外来を訪れる男性が増加し、このような患者群ではEDの有病率が高率である事が、世界的に報告されています。
また、ポルノ(AV)依存症や中毒が疑われる男性の殆どは、自分自身が依存症や中毒であることを自覚していないともされ、表に出てきているのは、まさに氷山の一角なのかもしれません。
最近、若年者のEDが急増しています。
今までは若年者のEDの原因の多くが心因であり、ストレス社会が心因性EDを多く生み出していると考えられていましたが、現在では、それだけでは説明できない増加と考えられています。
海外では、『ポルノ誘発性ED(porn induced ED)』という言葉も生まれています。
インターネットの普及により、また2006年以降、いわゆるporn tube sitesが出現し、容易にポルノ(AV)を見る事ができるようになり、それがポルノ誘発性ED増加の原因の一つと考えられています。
また、コロナ禍において、インターネット上のポルノ(AV)へのアクセスが11%増加し、コロナ禍が沈静化しつつある現在においても、未だ増加傾向にあると報告されています。
オナニー(マスターベーション)を行うに当たり、ポルノ(AV)を鑑賞することが、かつてより一般的になっています。
ポルノ(AV)を見る習慣があり、かつEDの男性は、非EDの男性と比較し、ポルノ(AV)を視聴する時間が長い傾向が指摘されていますが、弱い相関であり、前者のグループであっても、ポルノ(AV)の視聴によりオーガズムを得ることが可能であったことから、もともと器質的にEDであったわけではなく、心因が原因である可能性が疑われています。
また、性的な興奮を得るために、より過激的なポルノ(AV)を必要とし、同程度の勃起硬度を得るために、やはり、より刺激的なポルノ(AV)が必要だったとする報告があります。
さらにセックスをするよりも、ポルノ(AV)鑑賞の方が性的に興奮する若年者が多かったとする報告もあります。
ポルノ(AV)よりもパートナーとのセックスを好む場合は、EDの有病率が2割程度であったが、ポルノ(AV)を好む男性では、8割近くがEDであったとする報告もあります。
ポルノ(AV)に接する年齢が若いほどEDになる率が高くなることを指摘する報告もあります。
オナニー(マスターベーション)を高頻度で行い、ポルノ(AV)に、より性的興奮を感じる方の中に、ポルノ(AV)依存症や中毒の方が存在している可能性があります。このような方は、EDになっている可能性があると言うことになります。
池袋スカイクリニックに相談で訪れる若年ED例、そのうちのAV依存が疑われる例に対しても、バイアグラなどを処方しています。
一般的に、心因性EDにはED治療薬が非常に有効であることが多いのですが、ポルノ誘発性EDに関しては、そうでも無い場合があります。
そもそも、ポルノ依存の方は、いざセックスを始めてみると、性欲が萎えてしまうケースがあります。過激な表現のAVに慣れてしまうと、通常の性行為では興奮得にくくなるケースがあります。そのため、性欲の増加とともに勃起改善効果をきたすED治療薬が、いまひとつ効果が出ないケースがあります。
AVはShow的なところもあるため、それを基準にしてしまうと、一般女性で興奮しにくくなってしまいます。ある程度は、自粛する必要があります。
実際に、池袋スカイクリニックに来られる患者様の中には、ポルノ(AV)の関与が疑われる患者様がいます。
オナニーを頻回に行う方は、ご本人の自覚がないままに、依存症や中毒に至っている場合もあります。
回数が多い方は依存症と中毒のチェックをしてみて下さい。
Cyber Pornography Addiction Test (CYPAT)というものがあります。11問からの設問で構成され、各5段階評価となります(最低11点〜最高55点)。明確なカットオフ値はありませんが、35点以上の場合は、中毒性や依存性が疑われます。
1点増加するとEDが6%増加するとする報告もあります。
ぜひお試し下さい。
参照:
(1)Pornography Addiction: An Exploration of the Association Between Use, Perceived Addiction, Erectile Dysfunction, Premature (Early) Ejaculation, and Sexual Satisfaction in Males Aged 18-44 Years
J Sex Med . 2021 Sep;18(9):1582-1591.
(2)Development of a new screening tool for cyber pornography: Psychometric properties of the cyber pornography addiction test (CYPAT)
Clinical Neuropsychiatry (2018) 15, 1, 60-65
(3)Associations Between Online Pornography Consumption and Sexual Dysfunction in Young Men: Multivariate Analysis Based on an International Web-Based Survey
JMIR Public Health Surveill. 2021 Oct; 7(10): e32542.
(4)Survey of Sexual Function and Pornography
Mil Med. 2019 Dec 1;184(11-12):731-737.
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ポルノ誘発性EDとは、インターネットポルノの過剰視聴により、実際の性的場面で勃起がうまくいかなくなる現象です。特に若年男性に増えており、性的刺激のパターンがポルノに依存することで、現実の性行為に対する反応が鈍くなるとされています。
主な症状は、性的パートナーとの性行為時に勃起がうまくいかない、もしくは維持できないことです。一方で、ポルノを視聴しているときや自慰時には正常に勃起できる場合が多く、これが特徴の一つです。
ポルノは強烈で過激な視覚刺激をもたらすため、脳の報酬系を過剰に刺激します。これにより、ドーパミンの反応が鈍化し、現実の性的刺激に対して十分な興奮が得られなくなっていくと考えられています。
特に10代後半〜30代前半の若年層に多く見られます。思春期から日常的にネットポルノを視聴している場合や、刺激を強めるために過激なジャンルへエスカレートしていく傾向がある場合、リスクが高まります。
第一選択は「ポルノの視聴と自慰行為の一時的な停止(リブート)」です。これにより脳の反応が正常に戻る可能性があります。認知行動療法(CBT)や心理療法、場合によってはED治療薬の併用も検討されます。
個人差はありますが、一般的には数週間〜3ヶ月程度の「リブート期間」を経て改善が見られるケースがあります。長期間にわたってポルノを使用していた場合は、より時間がかかる可能性もあります。
一時的に勃起を助ける効果はありますが、根本的な解決にはなりません。ポルノ依存による心理的要因が大きいため、薬だけでは改善しないこともあります。リブートと併用する形で用いられることがあります。
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以下の質問にすべて答えてください。スコアが高いほどAV(ポルノ)依存傾向が高い可能性があります。
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