エストリール膣錠|閉経後の性交痛の治療|池袋スカイクリニック

エストリール膣錠|閉経後の性交痛の治療

池袋スカイクリニック

性交痛の治療|池袋スカイクリニック

性交痛治療の対象となりうる方

  • 閉経されている、または、その兆候(更年期障害)がある方
  • 乳がんなどでホルモン療法をされている方
  • 子宮内膜症や月経過多などで偽閉経療法をされている方
  • 低用量ピルやミニピルを服用中の方
  • 何らかの理由で、子宮卵巣を摘出した方

* エストロゲン依存性悪性腫瘍や婦人科疾患で治療中の方は、エストリール膣錠での治療歴がある方や、主治医の了承が得られた場合に、処方を行います。

** 授乳中例においては、いまのところ、科学的な知見が不足しているため、処方を控えております。

エストリール膣錠処方のIndex

エストリール膣錠の処方|池袋スカイクリニック

  • 問診にてエストリール膣錠を処方
  • 潤いと柔軟性を回復し異臭を抑える
  • 女性とのしての自信を取り戻す
  • 『局所の症状は局所へのホルモン治療が有効で、かつ全身性への副作用はありません』
  • スマートフォンを用いたテレビ電話診療|エストリール膣錠
  • エストリール膣錠を30錠セットまたは100錠セットで処方
  • 使用頻度
  • お薬代と送料
  • 15時までに決済確認できれば即日発送

問診にてエストリール膣錠を処方

診察は問診のみです。女性ホルモン不足に伴う性交痛の確認のための問診を行い、その後、処方となります。初再診関わらず、テレビ電話での遠隔診療が可能です。お薬は、直接、ヤマト運輸の宅急便で郵送いたします。

池袋スカイクリニックでは保険診療は行なっていません。自由診療となります。保険診療をご希望の方は、他院でご相談ください。出血、異常な帯下、異臭、掻痒などが認められる場合は、他疾患が疑われるため、他院産婦人科を受診してください。

閉経や更年期障害例や、ピル服用中、ホルモン療法や偽閉経療法中の方、卵巣摘出術後の方などが対象となります。女性ホルモン減少による膣萎縮の場合は、膣の入口より痛みが生じることが多くなります。

エストリール膣錠で女性ホルモンを補うことで潤いと柔軟性雨が回復する

膣の潤いと女性器の柔軟性を回復し異臭を抑える

エストリール膣錠による治療は、局所の『血流改善』と『コラーゲン』の増加を、もたらします。単純に、乾燥した膣の潤いを取り戻すだけではありません。潤いだけなら、潤滑ジェルです。

コラーゲンの増加から、女性器の柔軟性を取り戻すことができるため、パートナーにも、豊かな感触を与えることができます。

加えて、エストリール膣錠による治療は、膣内フローラを改善するため、異臭を抑えることが可能です。また、副次的な効果として、陰部のヒリヒリ感や掻痒感、頻尿なども改善する可能性があります。(詳しくは、『閉経後性器尿路症候群』参照)

女性としての自信を取り戻す

性交痛で悩んでいる方は、単純に痛みに苦しんでいるだけでなく、それによって、精神的なストレスを感じている場合があるとされます。様々な事柄に対して積極性が低下したり、女性としての自信の無さを招き、精神的な苦痛を感じたり、抑うつが生じるとされています。

エストリール膣錠による治療は、この様な精神的な悩みから解放してくれます。性交痛の治療は、膣の潤いを回復するだけでなく、自信を回復することで、自分らしさを取り戻すことにも繋がります。

また、セックスはコミュニケーションでもあり、パートナーとの親密さ増すことにも繋がります。

性交痛治療は、自信を回復し、自分らしさを取り戻せます。

『局所の症状は局所へのホルモン治療が有効で、かつ全身性への副作用はありません』

一般に(医師にもですが)、あまり認知されていない性交痛の治療ですが、 日本女性医学学会(旧日本更年期医学会) の監修した冊子(p15.Q4.HRTは性交痛に効きますか?より)にも、明記された治療法になります。

性交痛は更年期障害の症状の一つとも言えます。ただし、膣の潤いを回復する治療、性交痛に対する治療になるため、更年期障害による全身の様々な症状を改善したい場合は、適していません。

性機能障害治療で先行する海外でも、エストロゲン製剤の膣内投与の安全性について報告されています。

⇨ 詳しくは『海外における使用報告』

日本女性医学学会でも性交痛に対しての膣のホルモン療法を推奨している

スマートフォンを用いたテレビ電話診療|エストリール膣錠

池袋スカイクリニックでは遠隔診療で性交痛に対してエストリール膣錠を処方しています
  • ✿ お電話またはメールで予約
  • ✿ テレビ電話での医師による診察
  • ✿ 15時までに決済確認できれば即日発送
  • 但し書きは『商品』
  • 院長の個人名で発送可能
  • ヤマト運輸営業所止めも可能

ホームページを一読していただくと、診察がスムーズです。

ご質問があれば、診察時に、担当医師にお尋ね下さい。

対面する回数は、テレビ電話での1回のみです。

ヤマト運輸の宅配便コンパクトにて、池袋スカイクリニックより、お薬を発送いたします。ヤマト運輸の営業所止めも指定可能です。開梱しなければ、何が送られてきたかわからないようになっています

エストリール膣錠を30錠セットまたは100錠セットで処方|性交痛治療薬

  • ⚪︎ エストリール膣錠  30錠  2,600円(税込) 
  • ⚪︎ エストリール膣錠 100錠 6,800円(税込) 
  • ⚫︎ 診察無料
  • ✔ 遠隔診療の場合は送料のご負担

初診時は、エストリール膣錠30〜60錠で、ご希望される方が多いです。初めてエストリール膣錠を使用する場合は、やはり、お試ししていただくのが無難です。目安として、初期量から開始し、維持量を隔日とした場合、30錠で、およそ1ヶ月半分となります。

再診時は、特に問題が無かった場合は、100〜200錠を希望される方がほとんどです。年に一回程度、近医婦人科にて診察を受けていただき、お薬は当院で処方させていただくこともできます。

実際に、婦人科では、一度に多くの薬剤を処方して頂けないことが多いらしく、当院にて、まとめて処方を希望される方も、多くいらっしゃいます。
定期受診に伴う費用、手間などを考慮していただき、判断していただければと思います。

使用頻度|エストリール膣錠

寝る前に挿入していただきます。使用法は、一般的には、下記になります。

注:生理中および性行為前のご使用は御控え下さい。

  • ✿ 初めの2週間~は連日(初期量)
  • ✿ 2週間以後は、隔日〜2回/週程度(維持量)

個人個人で異なる|エストリール膣錠

閉経から治療まで、時間が経過しているほど、初期量の継続期間は長くなります。まずは、2週間連続で使用していただき、その時点で改善が乏しいと感じる場合は、初期量で継続します。改善に6週程度要する場合もあります。

維持量は、ご本人の残存するエストロゲン(女性ホルモン)分泌量によって変化します。基本的には、完全な閉経に近づくほど、維持量が多くなります。また、女性ホルモンは、卵巣からのみ分泌されるわけでは無いため、閉経されていた場合であっても、個人差が大きく、適宜使用量を調整する必要があります。

ピル服用時の使用法

  • ✿ 初めの2週間は隔日(初期量)
  • ✿ 2週間以後は、3日〜1回/週程度(維持量)

個人差が大きいため、各自で、ちょうど良い容量を探していただく必要があります。

低用量ピル服用中の場合は、生理時の使用は控えていただき、生理が終わってから、再度、初期量から開始してください。

ミニピル服用中で、生理が無い方は、初期量で2週間使用後、維持量で継続して下さい。

まずは、閉経時の半量位から試していただければ良いかと思います。

お薬代と送料|ご相談無料

費用は、
『 お薬代(エストリール膣錠)+ 送料 』
となります。
その他、診察料、調剤料などは必要ございません。ヤマト運輸の宅急便コンパクトで発送致します。ご相談無料。調剤料など、上記以外の費用はかかりません。

女性用医薬品の遠隔診療の送料

銀行振り込み・クレジット決済・現金書留|決済方法

お支払い方法は、銀行振込およびクレジットカードによる決済、現金書留に対応しております。
対応しているクレジットは、右記(下記)となります。

  • ⚫︎ visa(ビザ)
  • ⚫︎ master(マスター)
  • ⚫︎ jcb(ジェーシービー)
  • ⚫︎ american express(アメリカン・エクスプレス)
  • ⚫︎ Diners(ダイナース)
オンライン診療では各種クレジット決済を可能です。

15時までに決済確認できれば即日発送

15時まで(日曜・祝日は13時まで)に決済確認できた場合は、即日発送いたします。お急ぎの場合は、カード決済をお勧めいたします。銀行振込の場合は、銀行の仕様によって、決済完了にお時間がかかる可能性があります。また、日曜・祝日の場合は、週明けにならないと決済確認できない場合もございます。

ご理解のほど、よろしくお願い申し上げます。

15時までに決済確認できればヤマト運輸で即日発送|池袋スカイクリニック

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池袋スカイクリニックで行う性交痛治療

  • 池袋スカイクリニックで行う性交痛治療
  • ホルモン補充療法ガイドブック|日本女性医学学会
  • 海外では『かかりつけ医』が相談に応じる
  • 長期使用に伴う副作用
  • 海外における使用報告
  • 乳がんのリスク増加はない
  • 古い膣粘膜が代謝される|帯下(おりもの)
  • エストリール膣錠の治療効果
  • 膣粘膜の潤いと女性器の柔軟性を回復する
  • 異臭の原因を抑える
  • 以前と同じ感覚が蘇る
  • パートナーとの関係が改善
  • 性機能障害は生命予後を悪化させる
  • セックスに年齢制限はない
  • 性交痛に対する”その他”の治療法

当院が提供する性交痛治療は、エストリール膣錠による治療になります。閉経や更年期障害による女性ホルモン不足や、ピルやホルモン療法に伴う医原性のホルモン低下によって生じる膣の乾燥症状を改善します。加えて、外傷や疾患などで、卵巣を摘出してしまっている方も適応されます。

膣が残存していれば良いため、子宮摘出後の方も、使用できます。

ホルモン補充療法|日本女性医学学会

本邦では、性交痛の治療自体が、あまり普及しておりません。医師含めてですが、『治療すべきもの』という認識がないからです。

日本女性医学学会が監修したHRT(ホルモン補充療法)の冊子の一部(p15.Q4.HRTは性交痛に効きますか?)に、小さく記載がある程度です。
そこでは、
局所の症状は局所へのホルモン治療が有効で、かつ全身性への副作用はありません
と記載されています。

参照:

ホルモン補充療法の正しい理解をすすめるために
p15.Q4.HRTは性交痛に効きますか?
日本女性医学学会監修

 

かかりつけ医が相談に応じる|性交痛治療

これに対し、海外では、性交痛は、婦人科専門医師に相談する内容ではなく、Family PhysicianやGeneral Practitionerと呼ばれる、いわゆる”かかりつけ医”に相談する診療内容です。欧米諸国においても、相談内容は、ややハードルが高いものの、更年期以降の女性に対し、性交痛は、一般的に治療されています。

欧米諸国で、年配のカップルがいつまでもセックスを楽しんでいるのは、男性にはバイアグラなどのed治療薬、 女性には、エストリール膣錠などの女性ホルモン剤の助けがあるからでもあります。

例えばですが、フィンランドでは、1992年より、医師の診察無しに、一般薬局で、エストリール膣錠と同じ薬剤を購入することができるようになっており、 容易に入手、使用することが出来ます。

長期使用による副作用|エストリール膣錠

やはり、副作用が心配なのは、当然のことかと思います。エストリール膣錠は、膣坐薬であるため、全身に作用しません。つまり、全身性の効果も副作用も出現することが、極めて少ない薬剤です。実際に、懸念事項として挙げられる悪性疾患(癌)ですが、臨床の現場では、乳がんでホルモン療法を行っている例でも、使用されている薬剤です。

使用にあたって、期間や年齢の制限はありません。心配であれば、通常のホルモン補充療法(HRT)に従い、とりあえず、5年程度の使用に止めてみてはいかがでしょうか?

ちなみに、短期的な副作用は、強いてあげるとするならば、薬剤に対するアレルギーになりますが、これも、ほぼ問題になることはありません。極端なアレルギー体質の方でなければ、通常は心配ありません。

海外における使用報告|エストリール膣錠

欧州産婦人科学会(European Board & College of Obstetrics and Gynaecology:EBCOG)や 欧州泌尿器婦人科学会 (European Urogynaecological Association:EUGA)の学会誌には、

『 閉経後女性に対する推奨用量の膣内エストリオール(エストリール膣剤)の 1 日 1 回の治療は安全であり、 子宮内膜増殖または過形成のリスク増加はない(子宮体癌のリスクはない)安全な治療薬 』

とする論文が掲載されています。

参照:

Review of the endometrial safety during intravaginal treatment with estriol
Eur J Obstet Gynecol Reprod Biol. 1995.Sep;62(1):101-6.

乳がんのリスク増加はない|エストリール膣錠

また、アメリカ産婦人科学会では、エストリオール(経口薬も含む)やエストロゲン製剤の膣内投与は、 乳がんのリスクと関連がなかったとする論文も掲載されています。

その他にも、医学会で最も権威のある医療誌の一つであるLancet誌では、膣へのエストロゲンの投与は、乳がんのリスクを高めないとする報告(1)や、 同様に権威のあるJAMA oncology 誌では、乳癌患者が使用した場合でも、死亡率に差がないことが報告(2)(3)されています。

最近では、乳癌治療におけるホルモン療法で生じた膣萎縮に対しても、使用される機会が増えています。
このことからも、乳腺に対するリスク増加も無いこがわかるとおもいます。

参照:

 (1) Breast Cancer Risk in Postmenopausal Women Using Estrogen-Only Therapy
Obstet Gynecol. 2006 Dec;108(6):1354-60.

(2) Type and timing of menopausal hormone therapy and breast cancer risk: individual participant meta-analysis of the worldwide epidemiological evidence
Lancet. 2019 Sep 28;394(10204):1159-1168.

(3) Vaginal Estrogen Therapy Use and Survival in Females With Breast Cancer
JAMA Oncol. 2024 Jan 1;10(1):103-108.

エストリオール製剤の膣内投与は乳がんのリスクを高めない|アメリカ産婦人科学会
エストロゲンの膣内投与は乳がんのリスクは高めない
乳がん患者へのエストロゲン製剤の膣内投与は死亡率に差を与えない

古い膣粘膜が代謝される|帯下(おりもの)

エストリール膣錠にて治療を続けていると白色の帯下(おりもの)が出てくることがあります。これは膣粘膜の新陳代謝によるもので、膣表面の古い細胞が剥がれ落ちたものです。皮膚で例えると”垢”のようなものになります。その他症状がない場合は、治療を継続されて差し支えございません。

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エストリール膣錠とは

  • 膣粘膜に作用する
  • 国内で正規に流通している医薬品
  • エストリール膣錠は1961年9月に認可された古い薬
  • ホーリンV膣用錠と同じ成分
  • エストロゲン(女性ホルモン)は4種あり各々作用が異なる
  • 各エストロゲンを分けて考える|投与経路の違いを考える
  • エストリオール(E3)を経膣投与する
  • エストリール膣錠の添付文書は知見の内容が古い
  • エストロゲン(女性ホルモン)に依存しない癌

膣粘膜に作用する

女性ホルモンであるエストロゲンの一つであるエストリオールを薬にしたのが、エストリール膣錠です。内服薬ではなく、膣剤であるため、膣粘膜の局所のみにしか効果が発現しません。

女性ホルモン剤の内服薬の場合、全身への影響が懸念事項として挙げられます。そのため、更年期障害に対する女性ホルモン補充療法は、現時点では限定的な治療法になります。内服した場合での一番の懸念事項は、長期に使用することにより女性器の癌(乳がんや子宮体癌など)や血栓症のリスクが上昇することです。

エストリール膣錠は、膣粘膜のみに作用するため、経口投与と異なり、これらの懸念事項がありません。

国内で正規に流通している医薬品

持田製薬株式会社。国内正規流通品。

池袋スカイクリニックで扱う医薬品は、すべて国内で正規に承認され、流通しているものです。安心して使用することができます。海外で安価に作られた薬剤を、クリニックオリジナルのプライベートブランドのように販売されているケースがあります。

ご注意下さい。

エストリール膣錠は1961年9月に認可された古い薬

エストリール膣錠が承認され、販売開始となったのは、かなり古く、1961年9月になります。では、なぜ、あまり使用されていないのでしょうか?20世紀は、現在ほど長寿社会では無かったため、性交痛で悩まれる女性が少なかった考えられます。また、当時は、性交痛自体が、
『年齢からくる避けれれないもの』
と考えられ、治療対象とならなかったのも一因です。これは、日本の文化的な”性”の捉え方にも原因があります。特にアジア人は、欧米人と比較して、恥じらいが強く、受診を控える傾向が強いことが指摘されています。

ホーリンV膣用錠と同じ成分

エストリール膣錠の主成分は、女性ホルモンの一つエストリオール(E3)になりますが、同成分の薬剤が存在します。それは、あすか製薬から市販されている、ホーリンV膣用錠です。主成分が同じであり、薬効は全く同じです。1962年6月に販売開始となった、やはり、古くからある薬剤です。違いは、まず、ホーリンV膣用錠が容量が1mgなのに対し、エストリール膣錠は0.5mgになっています。

また、エストリール膣錠は、発泡錠となっており、速やかに溶けて浸透しやすいといった性格を持ちます。閉経時などの性交痛に対して使用する場合は、0.5mgで十分なケースが多く、さらには、維持療法で連日使用することも、あまりありません。つまり、高用量である必要がありません。また、発泡錠であることも採用している理由です。

ホーリンV膣用錠はエストリール膣錠と同様にエストリオール製剤で閉経時の性交痛に有効
ホーリンV膣用錠とエストリール膣錠はともにエストリオールを主成分とし、更年期以降の性交痛を改善する

エストロゲン(女性ホルモン)は4種あり各々作用が異なる

エストリール膣錠の主成分は、エストロゲン(女性ホルモン)の一つであるエストリオール(E3)です。エストロゲンは、卵巣から分泌されるホルモンで、卵胞ホルモンとも呼ばれます。

主に、エストロン(E1)、エストラジオール(E2)、エストリオール(E3)、エステトロール(E4)の4種類が知られており、各々作用が異なります。

エストロンEstrone(E1)

エストロンEstrone(E1)は、閉経後の主要なエストロゲンです。
主に脂肪細胞と肝臓から分泌されます。
エストラジオール(E2)とは逆相関の関係にあり、エストラジオール(E2)の血中濃度が低下すると、それを補うように増加します。
お腹周りの脂肪は、エストロン(E1)の最大分泌器官とも言われています。

エストラジオールEstradiol(E2)

エストラジオールEstradiolは、最も強力なエストロゲンで、主に卵巣から分泌されます。
閉経前の中心的なエストロゲンで、肌や唇、膣の潤いを保持する作用があり、老化による小皺を減らします。
また、性欲に関係しているとされます。
精神的に、集中力を向上させ、情緒を安定化させる作用があります。
可逆性にエストロン(E1)に代謝されます。
閉経とともに、分泌が低下し、エストロン(E1)が中心となります。

エストリオールEstriol(E3)

エストリオールEstriol(E3)は、エストリール膣錠の主成分になります。
エストロゲンの代謝産物で、肝臓で作られます。
エストリオールは、ホルモン化性に乏しく、エストラジオールの受容体に結合し、エストラジオールの作用を調整するとされています。
最近では、エストリオール(E3)は、乳がんに対して抑制的に作用する可能性を指摘されています。
また、妊娠中の主要なエストロゲンでもあります。

エステトロールEstetrol(E4)

エステトロールEstetrol(E4)は、妊娠中、胎児の肝臓で合成されるエストロゲンです。
主に胎児の血液中に認められます。
ホルモン活性は低いとされます。
ドロスピレノンとの配合剤が経口避妊薬として利用されています。

各エストロゲンを分けて考える|エストリオール(E3)を経膣投与する

ホルモン補充療法(HRT)は、経口薬だったり、貼り薬だったり、様々ですが、全身投与であることには変わりありません。また、使用されるエストロゲンは、結合型エストロゲン製剤や、エストラジオールがほとんどです。

それに対し、エストリオール(E3)は、乳腺や子宮粘膜の刺激作用に乏しいたエストロゲンです。さらに、経膣投与であるため、全身性に効果が及びにくくなっております。エストリール膣錠による治療は、一般的な、更年期障害で行うホルモン補充療法とは、別物とお考えいただいた方が良いものです。

エストリール膣錠の添付文書は知見の内容が古い

添付文書上、『エストロゲン(女性ホルモン)依存性悪性腫瘍(例えば、乳癌、子宮内膜癌)及びその疑いのある患者』は使用禁忌となっておりますが、 これらのリスクは、ほぼありません。先にも記載いたしましたが、1961年に市販された薬剤です。

添付文書の内容は、

  • ⚫︎ エストロゲンの種類を区別していない
  • ⚫︎ 投与経路による違いが考慮されていない

なため、現在の知見とは、大きくかけ離れたものとなっております。エストリール膣錠の成分であるエストリオール(E3)に付いての、知識と使用経験の浅さも理由となります。この各々のエストロゲンの、詳細な作用がわかっていなかったのもあります。

実際には、乳がん治療でホルモン療法中の患者様は、閉経様になるため、エストリール膣錠によって治療されたりもしています。

また、エストリール膣錠の主成分であるエストリオール(E3)は、子宮粘膜に作用しないため、子宮内膜癌のリスクとはなりません。

注:私たち医師は、基本的には、この添付文書に記載された内容に従わないといけないため、当院で使用する問診票も、これに従ったものとなりますが、最新の知見とは異なったものとなっております。ご了承のほど、お願い申し上げます。

エストロゲン(女性ホルモン)に依存しない癌

ちなみにですが、子宮頸がんは、ヒトパピローマウイルス感染により引き起こされるため、エストロゲン(女性ホルモン)依存性悪性腫瘍ではありません。

膣がんは、珍しいがん(希少がん)であり、女性生殖器がんの1%程度を占めるとされます。リスクファクターは、ヒトパピローマウイルス感染と年齢(60歳以上)とされております。60歳以上(閉経後)に発症することから、女性ホルモンとの関連は薄いと言えます。

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エストリール膣錠の治療効果

  • 膣粘膜の潤いと女性器の柔軟性を回復する
  • 異臭の原因を抑える
  • 以前と同じ感覚が蘇る
  • 自分らしさを取り戻す
  • パートナーとの関係が改善
  • 性機能障害は生命予後を悪化させる
  • セックスに年齢制限はない

膣粘膜の潤いと女性器の柔軟性を回復する

女性ホルモンを補うことで、萎縮してしまった膣粘膜や柔軟性を失った女性器を回復することが可能です。女性ホルモンは、膣粘膜の血流を改善し潤いをもたらし、周囲組織のコラーゲンを増加させるため、柔軟性が蘇ります。減ってしまった女性ホルモンを、外部から補うのことは妥当な考え方です。そのため、性交痛の治療には、女性ホルモンの局所投与(膣剤)をオススメいたしますが、その他の治療法もあります。全身性の更年期障害の症状を改善したい等の希望がなければ、エストリール膣錠は、安全性の高い治療になります。

また、更年期障害の治療に加え、局所治療として、エストリール膣錠を併用することも可能です。

エストリール膣錠は膣のその周囲の潤いと柔軟性と回復する

異臭の原因を抑える

また、エストリール膣錠による治療により膣粘膜が成長すると、膣の善玉菌であるデーデルライン桿菌が増殖し、膣の自浄作用が回復します。膣や陰部でのカンジダ(カビの一種)や雑菌の繁殖が抑制されるため、異臭や痒みが抑制できます。エストリール膣錠は、膣内フローラ(細菌叢)を改善する作用があります。

性交痛だけでなく、臭いが気になる場合も改善効果が期待できます。

以前と同じ感覚が蘇る

パートナーに対しては、潤い豊かな膣粘膜と柔らかな女性器がパートナーを優しく包み込むため、多くの喜びを与えることができます。膣内フローラの改善作用から、女性器の異臭が抑えられるので、パートナーに不快感を与えません。
ご本人だけでなく、パートナーにも、愛情豊かなセックスをもたらします。

潤滑ジェルでは、女性器の柔軟性を得ることができず、臭いも抑えることができません。

自分らしさを取り戻す

エストリールによる性交痛治療は女性としての自信の回復に繋がる

池袋スカイクリニックでご相談する方の中には、
『閉経して、女性では無くなってしまう』
と、嘆く方がいらっしゃいます。もちろん、そんなことは無いと思いますが、女性としての自信を喪失してしまう方がいるのも事実です。特に日本では、女性の性機能障害は、まだまだ十分に認知されていないため、”治療すべきもの”といった認識も、医療従事者ですら乏しいのが現状です。男性も女性も、性機能障害の治療は、自分らしさを取り戻すきっかけになります。自分に自信が持てれば、物事に積極的に取り組むことができ、社交的になります。

エストリール膣錠による性交痛治療が、皆様のお役に立つことを、切に願います。

パートナーとの関係が改善

また、充実した性行為は、パートナーとの日常的な関係も充実したもの変えると言われております。セックスは、単に性行為というだけでなく、コミュニケーションとしても、とても大切です。性交痛が原因で、パートナーとのコミュニケーションが減るのは、勿体ないです。

パートナーのためにも、治療をご検討下さい。

セックスはコミュニケーションであり、性交痛の治療はパートナーとの関係性を改善する

性機能障害は生命予後を悪化させる

最近では、性機能障害は、生命予後を悪化させることが報告されています。簡単に言うと、セックスを楽しまれている方は、健康的に長生きできるとされます。

また、このことは、ご本人だけでなく、パートナーの生命予後にも関係することもわかっています。

ご本人の性交痛治療だけでなく、男性パートナーが、EDで悩まれている場合は、合わせて、ED治療も行うのが良いでしょう。

セックスに年齢制限はない

女性にはエストリール膣錠、男性にはED治療薬を使用することで年齢関係なくセックス可能となる

リピート率の高さから、満足度の高い治療であると考えております。潤滑ジェルでは得られない効果を体感していただければと思います。もう更年期だから、すでに閉経しているから、といって、諦める必要はございません。

エストリール膣錠による治療は、以前と同様のセックスを可能とします。

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性交痛に対する”その他”の治療法

性交痛の原因が女性ホルモンの減少であるのであれば、何らかの方法で、女性ホルモンを補うことがいちばんの治療です。その点で言えば、エストリール膣錠で理に適った治療といえます。

ただ、ここでは”その他”の治療法をご紹介します。

潤滑ジェル

エストリール膣錠による治療は、潤滑ジェルなどでごまかしているのとは全く異なり、自然な感覚が蘇ります。単純に潤いを回復し、閉経に伴う性交痛を改善するのではなく、細胞自体のコラーゲンや水分量が増加するため、膣や子宮頸部、陰部全般を柔らかくし、男性女性ともに挿入時の違和感がなくなります。

しかし、潤滑ジェルなどでは、この自然な感じを再現することができません。また、膣粘膜自体を回復させるわけでは無いため、膣の自浄作用がありません。そのため、雑菌の繁殖による異臭を抑えることができません。

膣若返りレーザー療法

美容外科などで”膣の若返りレーザー療法”などのキャッチコピーで、宣伝広告を見る機会もある膣のレーザー療法。膣レーザー療法の効果に関しては、未だ議論が耐えません。

U.S. Food and Drug Administration|アメリカ食品医薬品局

アメリカ食品医薬品局FDAは、膣のレーザー療法を承認していません。それどころか、2018年には、不正な強調された効果や、その重大なリスクに対して警告を発しています。

これに対して、異論を唱える研究者もいます。

American Urogynecology Society|アメリカ泌尿器婦人科学会

アメリカ泌尿器婦人科学会American Urogynecology Societyは、2020年、『膣のレーザー療法は有効であり、安全である。その効果は1年程度が持続する』とするコンセンサスステートメントを発表しています。ただ、これには『長期的な影響は不明』と付け加えられてもいます。

”膣の若返りレーザー療法”は、実績が少ないため、その有効性や副作用について、なかなか結論が出ません。有効であったとする研究報告も、小規模であり、研究デザインも十分な評価ができるものでなかったりします。

実績のある女性ホルモンの局所投与が利用できるため、現時点では、”膣の若返りレーザー療法”を選択する必要は無いと思われます。

American Urogynecologic Societyアメリカ泌尿器婦人科学会
The American Urogynecologic Society (AUGS)

参照:

(1)Vaginal laser therapy for gynecologic conditions: re-examining the controversy and where do we go from here
J Comp Eff Res. 2022 Aug;11(11):843-851.

(2)Vaginal Energy-Based Devices
Female Pelvic Med Reconstr Surg. 2020 May;26(5):287-298.

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性交痛を生じる原因

  • 女性ホルモン減少による性交痛が生じる理由
  • 女性ホルモン不足の原因
  • 性交痛の原因一覧
  • 更年期障害

女性ホルモン不足によって性交痛が生じる理由

女性の性交痛は、様々な原因で生じます。その一つに閉経に伴う女性ホルモン(主にエストロゲン)の作用低下が挙げられます。

性交痛は、主に

  • ⚫︎ 潤いの不足
  • ⚫︎ 柔軟性の低下

で生じます。潤いの不足と柔軟性の低下は、セックス時の疼痛を生じさせます。程度によっては、痛みだけでなく、擦過による出血が生じることもあります。

女性ホルモンは、膣周囲の血流を改善し潤いをもたらす他、コラーゲンの増加を促し、柔軟性を回復します。膣粘膜の成長を促し、性行為中の膣の湿潤を与え、潤い豊かな性行為を可能とします。

性交痛の治療には、潤滑ジェルやレーザー療法などもございますが、上記の原因を改善できるのは、女性ホルモン剤であるエストリール膣錠になります。

減少してしまった女性ホルモンを、外部より補うことが、唯一にして絶対の治療法です。

膣粘膜の萎縮による潤いの不足

 例えば、更年期に至ると、女性ホルモンの分泌が低下し、膣萎縮が生じます。セックス中、十分な潤いを得ることができず、性交痛を生じます。

女性ホルモンの作用不足は、更年期〜閉経時だけの問題ではありません。ピルや、ホルモン療法、偽閉経療法など、様々な理由で、女性ホルモンの不足が生じます。何らかの病気による子宮卵巣摘出術は、典型的な女性ホルモン不足による性交痛の原因です。

日本では、術後の性機能障害は、無視されていたと言っても過言ではありません。

女性器の柔軟性の低下

女性器の柔軟性が低下することも、性交痛の原因の一つです。潤滑ジェルでは、女性器の柔軟性の回復はできません。エストリール膣錠による治療は、この女性器の柔軟性を回復させるため、よりナチュラルな感じが蘇ります。

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女性ホルモン不足の原因

更年期や閉経された40歳代後半〜50歳代

女性の性交痛は、様々な原因で生じます。その一つに閉経に伴う女性ホルモン(主にエストロゲン)の作用低下が挙げられます。

女性ホルモンは膣粘膜の成長を促し、性行為中の膣の湿潤を与え、潤い豊かな性行為を可能とします。例えば、更年期に至ると、女性ホルモンの分泌が低下し、膣萎縮が生じます。セックス中、十分な潤いを得ることができません。

女性ホルモンの作用不足は、更年期〜閉経時だけの問題ではありません。ピルや、ホルモン療法、偽閉経療法など、様々な理由で、女性ホルモンの不足が生じます。

20〜30歳代のピル使用例

低用量ピルやミニピルを服用中の場合も、膣萎縮を生じ、性交痛を発症します。低用量ピルが普及とともに、その副作用として、性交痛を自覚する方が増加しています。この場合も、エストリール膣錠にて改善が期待できます。
ただ、ピルによって性交痛が生じると言うことが、あまり知られていません。

低用量ピルには、低用量のエストロゲン(女性ホルモン)が含まれますが、本来の女性ホルモン量ではないため、中長期服用している場合、 膣の乾燥症状(性交痛)を発症する可能性があります。エストリール膣錠によって、避妊効果が減少することはありません。池袋スカイクリニックでは、お若い方のお問い合わせも頂いております。

子宮内膜症や子宮筋腫の治療(偽閉経療法)の副作用

最近では、子宮内膜症や子宮筋腫などの治療として、 レルミナなどGnRH(性腺刺激ホルモン放出ホルモン)アンタゴニストによる偽閉経療法が行われるケースが増えてきました。この場合も、やはり閉経時と同じように、膣粘膜の非薄化から、性交痛が生じえます。

エストリール膣錠の主成分であるエストリール(E3)は、子宮内膜に影響を及ぼさない事から、 子宮内膜症や子宮筋腫の増悪を心配せずに性交痛の治療が行えます。

パートナーの男性も、性的に活発である年齢であることが多いことから、性交痛の治療は、パートナーのための治療にもなります。

乳がんなどでホルモン治療中

乳癌などでホルモン療法中の方は、まず、主治医に相談下さい。主治医の許可が得られた場合にのみ、エストリール膣錠を処方いたします。多くの場合は、エストリール膣錠が、乳がん治療に悪影響を及ぼすことはございません。乳がん治療中だからといって、性交痛を我慢する必要はありません。

多くの研究にて、安全に使用することができると報告されています。

授乳中

授乳中の場合も、ホルモンバランスの関係から性交痛が生じやすことが知られています。膣の潤いがあると言うことは、パートナーの受け入れ準備ができている、妊娠の準備ができていると、言い換えれます。つまり、授乳中は、育児が中心となっており、妊娠準備状態ではありません。

誠に申し訳ございませんが、授乳中の方には、エストリール膣錠の処方は行っておりません。

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性交痛原因一覧

肉体的原因と精神的原因|性交痛

性交痛は、さまざまな原因で発症します。
大きくは、

  • 肉体的原因
  • 精神的原因

に分けます。
肉体的原因であれば、さらに、性交痛の発症部位で分けられます。

  • 肉体的原因
  • 精神的原因

性交痛の肉体的な原因

挿入時の痛み(膣入口の痛み)|肉体的性交痛

潤いの不足

  • 前戯の不足
  • 閉経に伴うエストロゲン(女性ホルモン)の不足(更年期障害)
  • 性的に未成熟な場合
  • 授乳中の女性
  • 子宮内膜症・子宮腺筋腫症・子宮筋腫などの治療で偽閉経療法中
  • 低用量ピル

外傷や術後の変化

  • 外傷
  • 骨盤周囲の手術
  • 陰核の包茎手術
  • 出産時の会陰切開

感染症や湿疹

  • 生殖器や尿路の感染症
  • 外陰部の感染症や湿疹

膣痙攣

  • 原発性膣痙攣
  • 続発性膣痙攣:産婦人科手術や外傷、放射線治療などによって生じる

先天的な膣の低形成

  • ロキタンスキー症候群(Mayer-Rokitansky-Küster-Hauser症候群)
  • 完全型精巣女性化症候群(アンドロゲン不応症)
  • 総排泄腔遺残症

奥まで挿入時の痛み|肉体的性交痛

疾患や形態異常

  • 子宮内膜症や卵巣嚢腫や子宮腺筋腫症
  • 子宮後屈
  • 骨盤底筋群の機能異常
  • 膀胱炎
  • 過敏性腸症候群
  • 痔核

術後や医療行為に伴う変化

  • 骨盤腔内の手術(子宮摘出術など)による瘢痕
  • 癌に対する放射線治療・抗癌剤治療

性交痛の精神的な原因

不安感や抑うつ

パートナーとの関係性に不安や恐怖等がある場合、性的興奮が得られず、セックスの不快感や性交痛の原因となります。

日常生活の中のストレス

精神的なストレスは骨盤底筋群の緊張(収縮)に繋がります。過度の緊張(収縮)は性交痛に繋がります。

性的トラウマ

過去に性的な乱暴を受けるなどトラウマがある場合、性交痛の原因となりえます。性交痛の患者様全てに、性的なトラウマがあるわけではありません。

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更年期障害| クライマテリック・シンドローム

  • 更年期障害|更年期不定愁訴症候群とは
  • 更年期によく認められる症状一覧
  • 性交痛も更年期障害の症状の一つ
  • ペニス挿入時に痛みが生じる

更年期障害|更年期不定愁訴症候群とは

女性ホルモンの減少によって生じるのが更年期障害です。最近では、更年期不定愁訴症候群やクライマテリック・シンドロームとも呼ばれています。

主な症状は、一見、不定愁訴と捉えられてもおかしくないような症状です。性交痛も更年期症状の一つとも考えらえます。定期的であった月経(生理)周期が不規則になってきた場合、女性ホルモンが低下してきている可能性があります。

更年期によく認められる症状一覧

  • 顔がほてる
  • 汗をかきやすい
  • 腰や手足が冷えやすい
  • 息切れ、動悸がする
  • 起こりやすく、すぐイライラする
  • くよくよしたり、憂鬱になることがある
  • 頭痛、めまい、吐き気がよくある
  • 疲れやすい
  • 肩こり、腰痛、手足の痛みがある
  • 性交痛

性交痛も更年期障害の症状の一つ

女性ホルモン減少による更年期障害は様々な症状をていし性交痛もそのひとつである

女性ホルモン低下によって生じる性交痛は、更年期障害の一症状とも言えます。しかし、本邦では、文化的背景、プライバシー等から、セックスについて相談し辛かったり、 医師側も、積極的にセックスに関する事柄を問診しないなど、治療を行う環境が整っておりません。

池袋スカイクリニックで治療を行っている性交痛は、基本的には、この女性ホルモン減少によって生じる性交痛で、エストリール膣錠にて、概ね改善可能です。

ペニス挿入時に痛みが生じる

膣乾燥による性交痛の場合は、ペニス挿入時の膣の入口の痛みをきたします。膣の奥で痛みが生じる場合は、他疾患を疑う必要もあるため、他院婦人科でご相談下さい。

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閉経後性器尿路症候群(Genitourinary syndrome of menopause;GSM)

エストロゲンの低下は腟の乾燥症状からくる性交痛のみならず、尿意切迫感・頻尿、尿道炎・膀胱炎などの下部尿路の様々な症状の原因にもなることが知られています。これらの症状は閉経後性器尿路症候群(Genitourinary syndrome of menopause;GSM)とよばれます。閉経後、卵巣の機能が低下することでエストロゲン分泌が大幅に減少し、性器や尿路の粘膜が薄くなり、弾力や潤いが失われやすくなります。その結果、炎症や感染を起こしやすくなるほか、膀胱や尿道の機能にも影響が及びます。

女性ホルモン減少により閉経後性器尿路症候群が生じます

GSMの主な症状

  • ✿ 膣の乾燥感やかゆみ
  • ✿ 性交時の痛み(性交痛)
  • ✿ 頻尿、尿意切迫感(急に尿意を感じる)
  • ✿ 排尿時の違和感や痛み
  • ✿ 尿漏れ(軽い尿失禁)

エストリール膣錠は閉経後性器尿路症候群にも有効

 経後性器尿路症候群(Genitourinary syndrome of menopause;GSM)に対しても、性交痛治療薬であるエストリール膣錠が有効であることが知られています。エストリオール(E3)の内服による治療成績の報告が多数ありますが、膣剤による治療報告もあります。それによると、被験者の19.4%に陰部の著名な不快感を実感していたのが、膣内にエストリオールを1日1mgを21日連日投与することで、0%まで減少しています。

参照:

Efficacy of vaginal use of topical estriol in postmenopausal women with urogenital atrophy
Clin Exp Obstet Gynecol. 2011;38(2):143-5.

尿路感染症を減らす

また、エストリオールの膣内投与により、尿路感染症の頻度が低下したとする研究報告もあります。基本的には、エストリール膣錠は局所投与になるため、閉経後性器尿路症候群GSMに対する治療効果は、内服のエストリオール製剤には劣る可能性があります。

逆に、安全性は、局所投与薬であるエストリール膣錠が上回ります。

参照:

A controlled trial of intravaginal estriol in postmenopausal women with recurrent urinary tract infections
N Engl J Med.1993.Sep9;329(11):753-6.

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添付文書情報|エストリール膣錠

  • 効能効果
  • 副作用
  • 禁忌事項
  • 妊娠成立に与える影響
  • 添付文書の内容は古い知見に基づいている

添付文書上では、

効能効果|エストリール膣錠

  • 腟炎(老人、小児及び非特異性)
  • 子宮頸管炎並びに子宮腟部びらん
  • 腟炎(老人、小児及び非特異性)
  • 子宮頸管炎並びに子宮腟部びらん

となっています。

池袋スカイクリニックでは、萎縮性膣炎(女性ホルモン低下による膣粘膜の萎縮)による性交痛治療薬として処方しております。閉経や更年期は個人差が強く、一概に何歳〜とは言えないのですが、おおよそ40歳以降の方が当てはまります。日本人の平均の閉経年齢は52歳とも言われています。しかし、早い方では30歳台後半から発症する場合もございます。月経不順などが、併せて発症している場合は、可能性が高くなります。

他疾患の治療目的の場合は、産婦人科等、受診して下さい。

副作用|エストリール膣錠

  • ショック・アナフィラキシー
  • 血栓症
  • 過敏症
  • 乳房痛、乳房緊満感等

いずれも頻度不明となっています。エストリール膣錠の副作用は、アレルギー、過敏症以外は、ほぼ有りません。基本的には、もともと体内にあったものを外から補う薬剤ですので、アレルギーが出現することも、極めて、稀です。アレルギー、過敏症は、使ってみないとわからないところはございますが、一般的には、ごく一部のアレルギー体質の方でない限り、 問題ありません。

禁忌|エストリール膣錠

添付文書上の禁忌事項は、以下の3項目となります。

  • エストロゲン依存性悪性腫瘍(例えば、乳癌、子宮内膜癌)及びその疑いのある患者(腫瘍の悪化あるいは顕性化を促すことがある。) *
  • エストリール膣錠の成分(エストリオール等)に対し過敏症の既往歴のある患者
  • 妊婦又は妊娠している可能性のある女性

さらに、以下の例では、処方を自粛しております。

  • 乳癌の既往歴のある患者 *
  • 乳癌家族素因が強い患者
  • 乳房結節のある患者、乳腺症の患者又は乳房レントゲン像に異常がみられた患者
  • 未治療の子宮内膜増殖症・子宮筋腫・子宮内膜症のある患者
  • 骨成長が終了していない可能性がある患者(思春期前や 小児等)
  • 授乳婦 **

* エストロゲン依存性悪性腫瘍の項に関しては、主治医の了承が得られた際は、処方を行います。

** 授乳中例においては、いまのところ、科学的な知見が不足しているため、処方を控えております。

妊娠成立に与える影響

ちなみにですが、エストリール膣錠を使用することで不妊になる恐れは無さそうです。妊娠に与える要素の一つに子宮頸管因子があります。エストリオールを膣内投与することで、子宮頸管因子が好転することが知られています。

添付文書の内容は古い知見に基づいている

市販が1961年に市販開始された薬剤です。当時は、各エストロゲン(女性ホルモン)の詳細な相違点や、経口投与(全身投与)と経膣投与(局所投与)の違いについて明らかになっていない状況でした。添付文書の記載内容も、古いまま、アップデートされていないため、この様な記載が残っています。例外的な体質など無ければ、基本的には、安全な性交痛治療薬です。

経口薬や経皮吸収型テープ剤は、全身投与となりますが、エストリール膣剤は、膣局所に作用する薬剤であり、全身性の副作用はありません。

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